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臨時支給金白紙撤回のウラを読む 茂木氏と高市氏に確執? 2週間前には一緒に首相に要請

(写真は内閣官房内閣広報室)


自民党の高市早苗政調会長は29日、年金受給者らに臨時給付金として自民・公明の両幹事長と総務会長が岸田首相に要請していた5千円の臨時給付金について、記者団に「反対の声も多く、事務的にも間に合わない。この話はなくなった」と語った。


給付金は当の高市氏のほか自民、公明両党の茂木敏充、石井啓一両幹事長らが今月15日に首相官邸で首相に要請していた。


野党だけでなく世論(含むネット)の批判もあったが、2週間でひっくり返った理由のひとつに、茂木敏充自民党幹事長と高市早苗政調会長の確執があると思われる。(筆者私見)


臨時給付金は夏の参院選での自民・公明の選挙協力をすすめるための「潤滑剤」として茂木幹事長が発案し、公明党側に提案したと言われている。


野党からは選挙前のバラマキと批判されることになったが、自民党の政策責任者である高市早苗政調会長は、事前に聞かされていなかったことに立腹したといわれている。
(自民、公明内には5000円では少なすぎるとして増額を求める声もあったいう)


ここで筆者が注目しているのは、高市氏の3月16日の政調会長としての記者会見だ。


高市氏は自民、公明、国民民主3党の幹事長会談で、ガソリン税を一時的に減税する「トリガー条項」の発動などを協議するチームの立ち上げを決めたことに、「(高市氏に)連絡がない」と不快感を表明し、後に茂木氏が高市氏に謝罪していることだ。


それに続く臨時給付の白紙撤回だけに、自民党の重職にある茂木氏と高市氏の間でいったい意思疎通ができているのだろうかと疑わざるをえない。


高市氏は無派閥だが、昨年9月末の自民党総裁選に安倍晋三元首相(当時細田派=清和会)の強い押しで立候補した。最大派閥の細田派の票は岸田氏と高市氏の二人で分けたのである。


昨年10月の衆議院選挙のあと、細田氏が衆院議長に就任したのに伴い、安倍氏が清和会会長になった。


一方、茂木氏は自民党幹事長に就任後、竹下亘・元復興相の死去で空席となっていた自民党第3派閥(平成研究会)の会長になった。


今回の騒動を安倍―高市ラインによる岸田―茂木連合の揺さぶりとみることもできるだろう。
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〇年金生活者への臨時支給金とは


今の年金制度は物価や賃金の動向を加味して年金額を調整する仕組みを取り入れている。
物価はゼロまたはわずかにマイナスだが、賃金はコロナ禍の影響などで下がった。その分年金保険料の収入も下がるので、給付も減額することになる。


今年の減額幅は0.4%分(年額)で、モデルケースで厚生年金5400円、国民年金=3100円と算定されている。この分を臨時支給金で埋めるというもの。


岸田首相は4月にも総合経済対策を打ち出すことを表明している。世代全般にわたる支援措置のひとつとして、年金生活者への給付が復活することもあると思われる。

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