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UR戦争長期化のおそれ 底堅いルーブル プーチン氏支える 国債デフォルトも回避

(上のドルルーブル相場の推移はTRADING VIEWより)


毎日新聞(電子版)は、英国のウォレス国防相が4月28日、ロシアのプーチン大統領が5月9日の「対独戦勝記念日」に、ロシア軍がウクライナと戦争状態にあると位置付け、軍や市民の大量動員を宣言する可能性を語ったと伝えた。
5月9日にプーチン氏「戦争」宣言か 英国防相指摘、動員拡大の恐れ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
プーチン氏はウクライナ侵攻を戦争ではなく、「特別軍事作戦」と述べてきた。


緒戦で首都キーウを攻略できず撤退したことから、5月9日には、東部2州の制圧に成果があったとして、停戦(作戦終結)に動くとの見方もあった。ここにきて、むしろ長期化するおそれがでてきた。


プーチン氏が戦争の長期化を厭わない理由のひとつは、ロシア通貨ルーブルが意外なほど堅調なことかも知れない。ウクライナ侵攻後一時1ドル=140ルーブル近くに急落したが、足もとでは侵攻前の1ドル=70ルーブル台の水準に戻っている。


結果として、日々の生活を脅かすような物価上昇には至っていない。ロシアの国内物価は3月は上昇率7%台になり、4月には1週間で2%の上昇をみたが、いまは落ち着いている。


日米欧の経済制裁に対応して、ロシアがとったルーブル防衛策、①政策金利を20%に引き上げ(その後17%に下げた) ②輸出企業に対して外貨の8割を売却しルーブルに換えることを義務付ける――が一定の効果をあげているようだ。


また、外貨収入が大きくは減っていない可能性もある。ロシアの外貨(財政)収入の柱は天然ガスと石油の輸出だ。EU全体では天然ガスの約50%をロシアからの輸入に頼っているが、天然ガスについては経済制裁の対象外にしている。


(日本もサハリンからの天然ガス輸入を継続している)


ロシアはインドや中国に対して原油を購入するよう働きかけており、すでに(割安価格で)輸出をしているという。


日米欧はロシアが主要国中央銀行に預けている外貨準備を凍結し、主要銀行を国際決済網から除外する措置を取っている。


これに対して、ロシアは資金調達のため発行したドル建て国債について、ルーブルで支払うと主張したため、デフォルト(債務不履行)となるのは時間の問題とみられていた。


ところが、ロシア財務省はこのほど、5月4日に支払いの猶予期限を迎えるドル建て国債の償還と利払い計6億4920万ドル(約840億円)をドルで行ったと発表した。国内の外貨準備=ドル資金を取り崩して支払ったとみられる。


いまのところ、ロシア経済は制裁に耐えており、残念ながらプーチン大統領の戦争意図をくじくには到っていない。


5月9日にプーチン氏は国民に向かって何を語り、訴えるか。最悪なのは、長期戦の覚悟をロシア国民に求めることだ。

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