コメ価格下落でも コンビニおにぎりなぜ値上げ パン・麺類値上げに便乗? コメ需要は右肩下がり
新型コロナの影響などによる国内需要の減退でコメの産地出荷価格が下げ止まらない。それなのに、コンビニ各社は4月に入ってパン類やサンドイッチなどとともにおにぎりや弁当などコメを使う食品も相次いで値上げしている。
今年3月のコメの産地出荷価格(平均)は前年同月比11%下がり玄米60キロあたり12903円だった。(農水省4月19日発表資料)
新型コロナの感染拡大で、米消費(全体で約700万トン)の3割を占めるコンビニ向けおにぎり、弁当や、牛丼チェーンなど中・外食産業向けの需要が落ち込みコメが余り気味になっているためだ。
人口減少・高齢化でコロナ以前から、コメ消費が年間8万~10万トン程度減少していることもある。胃袋の数は年々減っているし、コメを炊くのが面倒という若い人が増えているようである。
金額的にみた場合、パン、麺類などの小麦粉製品の方がコメを上回っている時代である。
その小麦は大半を輸入に頼っており、国際市況価格の上昇や円安で、去年から政府の売渡し価格が引き上げられている。
燃料費高騰で物流費や包装資材があがっており、小麦粉を原料とするパンやサンドイッチ、麺類が上がるのは理解できる。
しかし、コメの産地価格が下がっているのに、おにぎりや弁当の値段を上げるのは便乗気味にみえる。(具やおかずの値段が上がっていると言うかもしれない。物流費、包装材も)
一社ぐらいは、コメの価格が下がっているからうちは上げません、と頑張るところがあってもいいと思うが、どうやら右へならえのようだ。
口に入るコメの49%はスーパーで袋入りの精米で売られている。(食味でいえば中から上ぐらい)。その店頭の小売価格も5%程度下がっているそうだが、コメ余りを解消するほどには売れないだろう。
コメの価格については、一般消費者は生鮮食品ほど価格に敏感ではないと言われている。
農業の後継者不足が言われていて、生産調整(減反)をしているのに、現実にはコメが余るほど取れて、価格が下がるというのは、妙なことではある。それが日本のコメ農業の長年の課題なのである。
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