中国 ロシア産原油輸入が急増 戦費まかなうエネルギー収入
(ロシアから欧州への天然ガスパイプライン ノルドストリームの施設。ロシアからの原油は止めたが、天然ガスは止めたときの影響が大きすぎて止められないでいる。)
中国のロシアからの原油輸入が急速に増え、5月は前年比55%増え、これまでの輸入元トップだったサウジアラビアを上回った。BBCNews電子版などが伝えた。
欧米や日本はロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁で、ロシアからの原油や天然ガスの輸入を削減している。しかし、その効果はロシアにはさほど大きな打撃となっていないようだ。
BBCNewsの伝えた、欧州の研究機関(CREA)の報告によると、紛争が始まった2月24日から6月3日までの100日間に、ロシアは化石燃料の輸出で970億ドルの収入を得ており、この間の戦費(1日当たり約8億7600万ドル)を上回ったという。
同報告は、フィンランドに拠点を置く独立系の「エネルギー・クリーンエアー研究センター」(CREA)が発表した。
3月以降はロシアからのエネルギー供給を、西側諸国が停止あるいは削減しているため、ロシアのエネルギー収入は減っているが、依然として高い水準にあるという。
EUの輸入額がなお61%を占める。国別ではロシアからのエネルギー輸入は天然ガスパイプラインを持つドイツが1位だったが、6月に入ってから中国が上回っているようだ。
欧米の削減した穴を埋めているのが、中国とインドとみられる。中国は原油、天然ガス、インドは原油のほか石炭の輸入も増やしている。
ロシア国内は情報統制され、プーチン大統領の支持率もなお高いといわれる。物価はウクライナへの侵攻当初、高騰したが足もとでは落ちついているようだ。
エネルギー輸出国ロシアと、世界最大の原油輸入国で、西側の批判を意に介さない中国が経済面で結束することは、残念なことだがウクライナ戦争が長期化する要因になると思われる。
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