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中国 百度(BAIDU)量子コンピューターを開発 先行IBMを追撃

(BAIDUの開発した超伝導・量子コンピューター、同社ホームページより)


中国の検索エンジン・AI大手、百度(BAIDU=バイドゥ)は、25日、同社初の超伝導量子コンピューターを開発したと発表した。量子コンピューターの名称は「Qianshi」で、10量子ビットのプロセッサーを搭載している。パソコンなどをネットを介してQiansiに接続することで、外部のユーザーも利用できるとしている。


リンク=Baidu Research


量子コンピューターの商用化では、米IBMが先行し、27量子ビットのプロセッサーを実用化しており、日本でも川崎市の「かわさき新産業創造センター」で稼働中。東京大学が主体になって応用研究をすすめている。


ハヤブサが川崎に舞い降りた日〜「IBM Quantum System One」始動 | Think Blog Japan


百度は36量子ビット・プロセッサーを開発したとしており、IBMを猛追する構えをみせている。(IBMは現在、127量子ビットプロセッサーを開発中。)


量子コンピューターは、理論的にはスーパーコンピューターをはるかに超える計算能力を発揮する。


いまのコンピューターは、情報を「0」か「1」の組み合わせで計算するのに対し、量子コンピューターは、量子力学的な超ミクロの世界では、観測する「量」が「0」と「1」のいずれかを取り得る「重ね合わせ」の状態にあることを利用する。量子ビット数が大きくなれば、処理能力は飛躍的に大きくなる。


2019年には米グーグルが量子コンピューターを使って、「世界最速のスパコンでも1万年かかる計算を200秒で終わらせた」と発表した。ただし、グーグルの量子コンピューターは特定の(量子コンピューターに向いた)計算にしか応用できず、極低温下で作動するプロセッサーの耐久性の点から、実用の段階にはないとの指摘がある。


量子コンピュータのキモになる、「超伝導量子ビット素子」は、1999年、当時NECの研究者だった中村泰信氏が世界に先駆けて開発した。中村氏はその後東大に移り、2021年4月には、理化学研究所に新たに発足した量子コンピュータ研究センター(RQC)の初代センター長に就任した。


RQCは今年度中に日本としては初となる、64個の量子ビットを持つ量子コンピューターを稼働させる予定だ。

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