時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

字幕は半ば「ねつ造」NHK 五輪ドキュメント BPO放送倫理違反を認定


昨年末に放送されたNHK・BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(小町谷育子委員長)は9日、「五輪反対デモに参加していない男性を参加したかのように描いた」などとして、「重大な放送倫理違反があった」と認定する意見書を公表した。


視聴者からの問い合わせでNHKが男性らに再取材し、今年2月に調査報告書を公表した。そのなかで、男性は取材したディレクターに「ご飯代ぐらいのお金をもらって、いろいろなデモに参加している」と話したが、「五輪反対デモに参加している」との話はなかったことをあきらかにし、謝罪した。


BPOは、NHKと日本民間放送連盟が策定している「放送倫理基本綱領」(1996年制定)や、NHKの放送ガイドラインに反していると認定した。


BPOは、「デモの価値をおとしめようという悪意が介在していたかは不明」としながらも、ディレクターは男性の発言が五輪デモとは別のデモに関するものと明確に認識しながら、五輪反対デモに関する発言に「すり替えて」編集していたと認定した。


「結果としてデモの価値をおとしめた。参加者はお金で動員されたものという印象を与えたことは無視できない」とした。


筆者は以前、この番組に透けて見える「五輪デモへの悪意」に関連して、昨年7月に発行された月刊誌「Hanada」のインタビュー記事での安部晋三元首相の「五輪に反対する人は反日」という発言を紹介した。


NHKは、安倍政権下で経営委員に安倍氏寄りの経済人や文化人が任命され、自民党(タカ派)よりの姿勢が強くなった。問題になったスペシャル番組にはその線に沿って制作・編集をすすめたのではないか。


経験20年のディレクターは「カネで動員されたデモ」という印象を与える映像をなぜつくったのか。同僚や上司も6回も試写したのになぜ「フェイク」を見逃したのか。「再発防止に努める」だけでは、まだ納得できないのである。

×

非ログインユーザーとして返信する