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ザポリージェ原発 完全停止 電源喪失は回避も ロシア掌握は継続


(IAEAザポリージェ原発調査団のビデオ IAEA's Support and Assistance Mission to Zaporizhzhya - YouTube )


ロイター通信(電子版)は11日、ロシア軍に掌握されている、ウクライナ最大のザポリージェ原子力発電所が完全に発電を停止したと報じた。ウクライナ国営「エネルゴアトム」社が明らかにした。原子炉は冷却、冷温停止過程に入っているという。
外部からの送電も確保されたといい、懸念されていた電源喪失は回避されたようだ。


ザポリージェ原発は全6基、総発電能力600万キロワットで、ヨーロッパ最大級の原発。旧ソ連で開発された「加圧水型」原発で、過酷事故を起こしたチェルノブイリ原発(黒鉛減速炉)とはタイプが異なる。


ロシア軍は3月4日に、戦車などがバリケードを破ってザポリージェ原発敷地内に侵入し、火災が発生した。以降はロシア軍による掌握が続いていたが、8月に入ってからは攻撃が相次いでいて、構内の一部施設が損壊した。(ウクライナとロシア側は互いに、相手による攻撃だと主張している。)


8月25日には外部からの送電線が破壊され、非常時に外部から電源供給ができない状況になったため、稼働中の2基のうち1基を停止、1基だけを運転していた。冷却に必要な電源を非常用ディーゼル発電に頼る危うい状況が続いていた。


国際原子力機関(IAEA)は「原発と周辺地域を安全管理区域とするべきだ」と、改めてロシア側に要請したが、ロシアは「原発への攻撃はウクライナによるもの」として、軍の引き上げや、非軍事地域とすることには応じていない。


ウクライナ側は、ロシアは原発敷地内にミサイルなどの長距離攻撃兵器を配備しており、「原発を楯として使っている」と批判している。


ザポリージェ原発は、親ロシア派住民が多いザポリージェ州の西側にある。深刻な事故が起きたときはロシア側支配地も影響をこうむるおそれがある。ロシアも核汚染を招くような暴挙には出ないのではないか。(そう期待したい。ロシア兵は原発の危険性を知らない可能性がある。)


ロシア側には、ザポリージェ原発を軍事上の「楯」にするとともに、ウクライナの電力供給を制約するねらいがあると思われる。


IAEAによると、ウクライナの発電電力に占める原子力の割合は55%で、フランスに次ぐ2位の原子力大国。ザポリージェ原発は6基分でウクライナの原発発電力のほぼ半分を占めている。


ロシアが、自国で使われているのと同じタイプの「原発」を掌握した意味は大きい。NHKの取材に対して、ウクライナ・エネルゴアトムのコティン総裁は「ロシアが一方的に併合した南部クリミアへの電力の供給を計画している」との見方を示している。


ゼレンスキー・ウクライナ大統領は今年6月30日、同日から欧州連合(EU)向けの電力輸出を始めることをあきらかにした。その際、同大統領は、「欧州のロシア産エネルギー依存脱却を後押しする」と述べていた。ザポリージェ原発6基の停止が長期化すれば、電力輸出は難しくなり、逆に電源の確保が問題となることもある。


下記ウエブニュースを参考にしました。
ウクライナ ザポリージャ原発でなにが? | NHK

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