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望月京大教授ら IUT理論でフェルマーの最終定理を証明

望月京大教授ら IUT理論でフェルマーの最終定理を証明
東京工業大数学誌に論文掲載


朝日新聞は11月24日の記事(3面)で、京都大数理解析研究所の望月新一教授らが同教授が構築した新しい数学理論を拡張し、解決までに350年以上かかった超難問「フェルマーの最終定理」を新しい方法で証明したことが明らかになった。記事によると、証明した論文は、東京工業大発行の数学誌「Kodai Math.J.」の編集委員会が受理し、掲載されるという。。


フェルマーの最終定理は、フランスの裁判官であり数学者のピエール・ド・フェルマー(肖像画)が1637年ごろに提議した「nが3以上の自然数(正の整数)の時、(xのn乗)+(yのn乗)=(zのn乗)を満たす自然数x、y、zは存在しない」という予想。


nが2の場合はピタゴラスの定理でx、y、zは無数に存在することを証明できる。3以上になると証明は極めて難しくなり、1995年に英国のアンドリュー・ワイルズ氏が解くまで証明されなかった。


フェルマーが数学書の余白に「わたしは驚くべき証明を得たがそれを書くには余白があまりにも狭すぎる」と書き残したと伝えられる。余白に書き込まれた定理や予想は48あったが、この予想だけは証明も反証もできずに「最終定理」と呼ばれていた。


望月氏の新しい数学理論は「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」という。
朝日新聞記事によると望月氏が約20年かけて築いた数学の理論。「足し算やかけ算をする世界(=宇宙)を縦横無尽につなげ(=際)、数を自在に行き来させる」という斬新なアイデアで、難問「ABC予想」(後述の注を参照)を解いたとする論文が今春、京大の数学誌に載った。
(筆者には、ただただ難解な理論だということだけわかる)


朝日新聞記事によると、IUT理論の理解者はいまでも世界で10人程度という。


朝日新聞記事は


「望月さんと京大数理研の星裕一郎准教授、英ノッティンガム大のイワン・フェセンコ教授ら5人は今回、IUT理論を拡張。『足し算とかけ算に関係する特別な不等式』」を導いて最終定理の式に代入し、(フェルマーの最終定理の)証明に行き着いたという。」
としている。


筆者の石倉徹也記者は、IUT理論の新たな応用例が示されたことで、(難解な理論を)学ぼうという機運が高まる可能性がある」と述べている。


今回、望月さんは石倉記者のメールによる取材に応じ


「そのような展開になった場合、こちらとしては歓迎する。(現在、IUT理論の抜本的な拡張に取り組んでおり)、最終定理の証明はどちらかというと『おまけ』的な位置づけのもの」に過ぎないと述べたという。


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IUT理論は長大かつ(超)難解なため、2012年に京大数理解析研究所(RIMS)のサーバー上に初稿が公開されてから、9年後の2021年3月に同研究所論文誌特別号に査読論文が掲載された。望月教授はIUT理論を用いて難題中の難題とされるABC予想を証明した。

ウィキペディアによると、この間、何人かの数学者から理論の不備を指摘され、それに望月教授が反論するということがあったことが書かれている。2021年7月にはドイツ人数学者ペーター・ショルツェ氏が数学誌にABC問題の証明について不備を指摘し、同理論に否定的な見解を述べている。

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