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FTX破綻で暗号資産は一段の下落 本家「ビットコイン」 最高値の半値以下に

ビットコイン価格は昨年11月の高値の半値以下に下げた。TRADING VIEWより


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暗号資産(仮想通貨)第一号のビットコイン(BTC)は、昨年11月に史上最高値をつけて以来、下落基調が続いていたが、暗号資産の取引所大手、FTX社グループの経営破綻の余波で一段安となっている。13日現在では高値の半値以下、1BTC=230万円程度となっている。


今年3月以降の暗号資産の下落は、いわゆる「金利選好」で説明されている。米国が利上げ局面に転じたため、金利のつかない暗号資産から、銀行預金や債券に資産がシフトしたというわけだ。


BTCの日本での売買価格は、ほぼドル建て価格の円換算額になる。米利上げペースが落ち着くとの観測から、暗号資産価格にも下げ止まり期待があったが、FTXグループの破綻が直撃、暗号資産(業界)全体に不信感が広がっている。投資家が「落ちてくるナイフをつかむな」という証券業界の格言に従えば、暗号資産の低迷は長く続く可能性がある。


FTXグループは世界各地に暗号資産を売買する取引所を展開する一方で、FTX独自の暗号資産FTTを発行していた。FTT発行で得た資金を、グループ会社を通じてほかの暗号資産や、暗号資産を使ったプロジェクトに投資していたと言われている。


グループ会社は巨額のFTTも保有していたことが明らかになっており、グループ内で一種の循環取り引きをした疑いもある。


FTT価格は経営危機が表面化して以降、その前からは90%以上も下げた。大口投資家も含めて、一斉に売りに走ったため、売りが売りを呼ぶ、大暴落となった。


ビットコインは特定の発行組織・機関を持たない。発行量はコンピュータ・プログラムによってあらかじめ規定されている。そこがFTTとは大きな違いで、FTXが経営危機に陥っても、ビットコイン(ほかの暗号資産)は、連動して下げなくてもいいように思われる。


FTXが資金不足に陥ったため、保有する暗号資産を売却し、それが暗号資産全般の下落を招いた可能性がある。FTXから外部への資金(暗号資産)流出があったともいわれるが、現時点では不明なことが多い。


ブルームバーグ通信によると、FTX社のバンクマンフリードCEOは、同社が最大80億ドル(約1兆1700億円)の資金不足に直面していると投資家に伝えたという。FTXの債務超過額は数兆円にのぼりそうだ。


FTXグループの破綻で、暗号資産の「本質的な価値」が改めて問われることになる。暗号資産が再び上昇に転じる日が来るとしても、9000種類以上もある「暗号資産」の淘汰がすすんだ後になるだろう。


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FTX社の日本法人の仮想通貨取引所、FTX・JAPANは「本社」の指示により、一時、顧客からの預かり資産の出庫・出金を停止すると、顧客に通知した。これに対して、財務省関東財務局は業務改善命令をだし、出庫・出金を再開するよう求めた。


FTX・JAPANのウェブサイトによると、同命令を受けて、出庫・出金を再開した。


なお、FTX・JAPANを含めて、日本の暗号通貨取引所で、FTXが発行したFTTを購入することはできない。FTX、FTTが日本の法令に基づく、規制基準を満たしていないためだ。


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BITCOINを例に取ると、それぞれのアカウントはいくらのBITCOINを持つという、情報の記録があるだけだ。情報は暗号化によって、改ざんや書き換えが理論上は不可能とされる。「情報」は保存されているが、暗号資産の経済的価値を保証するモノではない。それは日々取り引きされる市場できまる。

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