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防衛費拡大 国債増発論で問われた 日銀の財政ファイナンス 債務超過の崖っぷち

YOU TUBE 日テレnewsより、
「国民の責任」?……“防衛費増額”の財源で混乱 2つの理由(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース
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防衛費増額の財源について自民党・税制調査会は15日、2024年以降に、法人、所得、たばこの3税の増税で賄うことで税調会長に一任することを決めた。財源を巡っては、旧安倍派の議員を中心に国債増発でまかなうべきとの主張があったが、退けられた格好だ。


とはいえ、旧安倍派には防衛費に限らず、「国の予算の財源を国債に求めることに問題はない」という考えが根強くある。防衛増税の時期はあいまいなままで、国債増発論がぶり返すことも予想される。


国会で日銀の超低金利=国債の無制限に近い買い入れ政策が、問われる局面もあるだろう。


生前の安倍晋三氏は、防衛費拡大の財源を国債に求める主張の先頭に立っていた。「日本銀行は政府の子会社だから、国債を増発しても日銀が借り替えればまったく問題はない」という論だ。


防衛費の財源を「国債で」と言っているのは、安倍派幹部の萩生田自民党政調会長、同じく西村経産相、無派閥だが「安倍氏の遺志を継ぐ」と公言する高市経済安保担当相らである。


日銀の国債買い入れは、2012年末から安倍氏が主導した「アベノミクス」で「本格化」した。景気回復を財政出動と低金利で実現するとのねらいで、日本銀行はマイナスを許容するゼロ金利政策を続け、当初は短期国債を、やがては長期(10年~)国債を買い入れてきた。


本来なら国債の大きな買い手は銀行だが、マイナス金利の国債をもっているより、日銀に預金をして利子を得る方が得策である。国債取り引きは日本銀行が買い入れる一方となり、いまや、日銀が保有する国債残高は発行総額1000兆円のうち540兆円に上っている。


「日銀が借り換えすれば国債増発に問題なし」という議論の「難点」は、国債には金利(利払い)があることを忘れていることだ。(見ないフリかもしれない)国債増発派は、日本銀行がマイナスを許容するゼロ金利政策を続けることを前提にしているのだろう。


ウクライナ戦争後、米欧諸国ではエネルギー価格や原材料価格の上昇でインフレ率が高まったのに対応して、金利をあげている。日本の消費者物価は3%を超えているが、日銀は景気下支えのために超低金利政策を続けている。


インフレ状態が続く中で、国債を増発すれば金利に上昇圧力がかかる。ここで、市場実勢に合わせて日銀が超低金利政策を修正、金利を上げれば(理屈の上から)債券価格は下落する。


(国債の買い手は金利がより高い新発債を買おうとするため、金利の低い既発債は価格を下げなければ売れなくなる。)


債券価格が下がれば、既発債を500兆円も買い込んでいる日本銀行には含み損が発生する。


12月2日の参院本会議で、日本銀行の雨宮正佳副総裁は、国債の金利カーブ(イールドカーブ)が、全体的にあがった場合、日銀が抱え込む評価損について、「1%なら28.6兆円、2%なら52.7兆円、5%なら108.1兆円、11%なら178.8兆円になる」と答弁した。


日銀の純資産は5兆円なので1%上昇すれば債務超過となる。雨宮副総裁は「日銀は国債を満期まで保有する。金利が上昇して国債の市場価格が下落したとしても、(決算の)期間損益に反映させないので影響はない」との見解を示している。


日銀は債務超過となっても平気?かも知れないが、時価会計を採用している銀行、生損保は大きな含み損を出す可能性がある。バブル崩壊で銀行の自己資本が毀損したため、結局は税金を投入することになったがそれと同じことがおこるかもしれない。


タカ派は財政危機より有事への備えが優先事項だといいそうだ。ウクライナの人々をみてもわかることだが、いったん有事となればとてつもない忍耐と苦難の日々が訪れる。負担を先送りにしようという人はそもそも「覚悟」が足りないのではなかろうか。


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増税か国債増発かによらず、軍備拡大には反対という立場もあるだろう。カネのかかりそうな敵基地攻撃能力の保持は専守防衛を超えるとの議論もある。以上はそれを別にした話である。

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