米アップル iPone侵入のスパイウエア開発会社を提訴 マクロン仏大統領も被害?
米アップルが iPone侵入のスパイウエア開発会社を提訴
イズラエル企業NSOグループ 仏マクロン大統領も被害?
ロンドンでNSOのスパイウエア禁止を求めて活動する人たち
アムネスティ・インタナショナルのホームページから転載
米アップルは23日、iPhoneなどを標的としたスパイウェア「ペガサス」によってユーザーの情報を盗み取られたとして、開発したイスラエルの企業NSOグループを提訴した。
NSOグループについては、今月3日米商務省が、スパイウエアを開発したことが国家安全保障上の懸念があるとして、NSOグループを指定し、米国の製品や技術の輸出禁止措置を取ることにしている。
米商務省は声明で、専制国家がスパイウエアを使って、反体制派などを監視していた証拠があると指摘し、「国際秩序を脅かす」と批判した。
アップルはスパイウエアの悪用を防ぐため、NSOがアップル製品へのアクセスや利用を差し止め、スパイウエアの開発や使用を禁止することも求めている。
NSOグループはイスラエルの民間企業だが、イスラエル軍の諜報・情報収集専門の部隊出身者が多くいるといわれる。同グループはスパイウェアを外国政府などに販売してきたとされる。
スパイウエアが確認されたのは2016年ごろ。
その後、パリに拠点を置くメディア系NPOのForbidden Storiesが中心となり、国際的人権団体・アムネスティ・インターナショナルのセキュリティラボのサポートのもと、各国報道機関のジャーナリスト80人が参加して「ペガサスプロジェクト」を立ち上げた。
調査は、ペガサスの攻撃対象になったとされる5万件以上の電話番号のリストをもとに行われた。リストに記載された電話番号の持ち主を確認したところ、数百人の企業経営者、宗教家、学者、NGO職員、政府関係者(閣僚、大統領および首相を含む)が含まれていた。
また、フィナンシャル・タイムズ、CNN、ニューヨーク・タイムズ、France 24、エコノミスト、AP通信、ロイターのジャーナリスト180人以上が確認された。
今年7月には、仏マクロン大統領が標的とされていた疑いが報じられ、注目されていた。
アップルの訴状よると、「ペガサス」は、メッセージ機能を使い狙った端末に入り込む。「ゼロクリック」攻撃と呼ばれ、使っている人に気づかれずに端末に侵入する。侵入後はデータを転送するほか、端末のカメラやマイクを遠隔で作動させることもできる。
米アップルの訴状は、NSOグループを「悪名高いハッカー」だと非難し、「利益のために、顧客が製品を悪用して政府高官やジャーナリストなどを標的にすることを許している」と指摘している。
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TechCrunch JapanによるとNSOは45カ国と契約を結んでいるという。