時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

海外勢と日銀の攻防は上限金利0.5%に 12月の「敗北」で10年物国債金利引き上げ


日本銀行本店=東京日本橋本石町、設計は近代日本建築のパイオニアと呼ばれる辰野金吾
+++++


時事通信などによると、財務省は5日、1月発行分の10年物国債の入札を行い、額面(100)に対する表面利率(クーポン)を年0.5%に設定した。日銀は12月の政策決定会合で長期金利(10年物国債利回り)の上限を0.25%から0.50%に引きあげる決定をしているが、金利をこれに合わせた格好。


10年国債、利率0.5% 8年ぶり水準へ引き上げ 財務省(時事通信) - Yahoo!ニュース


ブルームバーグ通信によると、12月の長期金利上限引き上げで一もうけした外国ヘッジファンドは、この先も、政府・日銀が超金融緩和を修正し、さらに長期金利上昇を見込んだ運用戦略を取っている。


10年物国債利回りは足もとでは0.4%台で推移している。米金利の動向もあるが、ヘッジファンドと日銀の攻防は上限金利0.50%、さらには0.75%をめぐる攻防となる可能性がある。
日本国債のショート選好、3月に再びYCCレンジ拡大も-ブルーベイ - Bloomberg


時事通信によると、10年物金利が0.5%になるのは2014年12月以来、8年ぶりのことだ。


安倍晋三氏の主導するアベノミクスの柱=黒田東彦・日銀総裁による「異次元の金融緩和」は、2013年4月に始まった。それ以降、日銀は長期国債の買い入れを増やして、長期金利を押し下げ、政府は大規模な財政出動を行った。スタート時の長期金利は1%台だった。それが、14年には1%台を割り込む水準になった。


今回、長期国債の表面利率を0.5%に上げたことは、政府(財務省)も事実上、超金融緩和の修正に動きだしたことを示している。(もとより筆者の私見である)


なお、時事通信は金利が上がったことで、利払いが増えると書いているが、23年度の予算では、国債利払いの想定利率を22年度と同じく1.1%と見込んでいる。(国債発行残高1000兆円として11兆円)
国債利払いの長期金利想定1.1%、7年連続で最低=23年度予算で政府筋 | ロイター


国債の半分を日銀が保有していることを考えれば、予算的には利払いはなお余裕がある状況といえる。とはいえ、それが超金融緩和の持続可能性を示しているわけではない。

×

非ログインユーザーとして返信する