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西村経産相 新総裁に「アベノミクス発展」期待は本心か乱心か 4%インフレも「デフレ脱却必要」と


産経新聞電子版(14日)などによると、西村康稔経済産業相は14日の閣議後会見で、日本銀行の黒田東彦総裁の後任となる新総裁(同日午後に岸田文雄首相が指名)への期待について「デフレから脱却し、(安倍晋三元首相がすすめた)アベノミクスを仕上げて発展させて、新しい資本主義を進めていくことが大事だ」と述べた。
西村経産相、日銀新総裁に「アベノミクスの仕上げを期待」(産経新聞) - Yahoo!ニュース


足もと昨年12月の消費者物価上昇率、つまりインフレ率は4.0%(生鮮食料品をのぞむ)と41年ぶりの記録的な高さだった。「デフレ=デフレーション」は物価の持続的下落を意味し、物価の持続的上昇「インフレ=インフレーション」と反対の意味がある。


いま必要なのはインフレの抑制で、「デフレの脱却」をいうのは、おかしい。


西村氏は東大法学部卒で、いわゆるキャリア組として経済産業省に入った。米国に留学しメリーランド大学大学院で国際政治経済学を専攻し、修士号も取得している。西村氏がデフレの本来の意味を知らないということは考えられない。


デフレ時はモノが売れないのがふつうで、「不況」と同居していることが多い。西村氏の発言も、デフレを「経済停滞」あるいは「不況」と置き換えると意味が通じる。


西村氏は第2次安倍政権で内閣府の担当副大臣として、政府と日銀の共同声明(物価上昇率2%を達成目標とする)や、2013年6月から始まったアベノミクスの諸政策=異次元の金融緩和、積極的財政出動、民間主導の成長戦略)の策定にあたってきた。


異次元の金融緩和政策で、日銀は短期だけでなく、長期金利(10年物国債金利)もマイナスを許容した。低金利をつくりだすために、いまでは、1000兆円にのぼる国債残高の半分以上の500兆円超を日銀が保有する。


その結果、国債市場にある国債が枯渇し、昨年末には国債の借り換えにも支障が生じるおそれがでてきた。(国債の消化を円滑に進めるため、昨年12月に長期金利の上限を0.25%から0.50%に引きあげた。金利を押さえつけるにも限界がきたのである。)


産経新聞電子版によると、「西村氏は、日本経済がデフレから完全に脱却できていない状況に関して『じくじたる思いだ』」と述べたという。西村氏も本心では、アベノミクスがうまく行かなかった(平たく言えば失敗)と思っているのかもしれない。


同日午後、岸田文雄首相は、公式に日本銀行総裁に植田和男氏を指名した。植田和男新総裁に求められるのは、「アベノミクスの仕上げ」でなく、「アベノミクスの後始末」となるだろう。


黒田・日銀が、10年近く誤った政策を続けられたのは、強い政治力を持つ安倍晋三元首相の後押しがあったのはいうまでもない。安倍氏亡き後の安倍派=清和政策研究会の会長はいまだ決まっていない。
有力視される国会議員は西村氏を含めて6人いるといわれる。どうやら6人みなが「アベノミクス継承」をいっているようだ。(自民党の萩生田光一政調会長は、NHKの党首討論の中で、日銀の新総裁について「今の政策は継続しながら改革が必要だ。」と微妙ないいかたをしている。)


だれがとは言わないが、派閥を主導するために、「アベノミクス継承」を言っているなら、最大派閥の先行きは危ういだろう。

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