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コメ店頭価格 史上最高値 政府備蓄「凍結」とJA高値「予約」で市場操作 つけは消費者に

グラフは朝日新聞21日付け電子版より 新米出回っても高いまま コメ価格、11月は6割上昇 農水省は静観:朝日新聞デジタル
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総務省が21日に発表した11月の消費者物価指数(2020年=100とする指数)で、コメの店頭価格の指標となる指数(コメ類)は前年同月より64%高い162.9となり、指数の比較可能な1970年以降で最高だった今年10月をさらに上回った。


江藤拓・農林水産相は20日の閣議後記者会見で、「新米の価格上昇はちょっと極端だ」と語る一方で、「市場価格に国が介入することは正しくない」と述べた。


コメの集荷、流通市場は、今でもJA・農協グループが4~5割を握っており、価格決定に大きな力を持つ。


今回のコメ高騰は、コメ産地に基盤を持つ自民党とJA(農協グループ)が半ば意図的に目論んだものであり、年明け以降も価格高騰が続けば、凶作のときにしか使えない「政府備蓄米」の制度見直しを求める声が、消費者側から出るだろう。


政府備蓄米は、年間コメ生産量(約700万トン)の約15%、合計100万トン程度ある。毎年20万トンずつ入れ替えで、5年たった古い米は加工用に回される。


政府備蓄米を市場に出す(売却)のは、不作(作況指数が80程度)のとき、つまり絶対的なコメ不足のときに限られている。コメの価格調節(高騰時の「冷やし玉」)に使うのは、法の目的にかなわないというのが表向きの理由だ。今年8月時点、コメの収穫が本格化する前に、政府は備蓄米の市場売却の見送りを決めている。


(政府備蓄の根拠法は、1995年(平成7年)に施行された「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」)


コメの集荷、流通市場は、JA・農協グループが4~5割近くを握っており、価格決定に大きな力を持つ。農協にコメを出荷予約する農家には、農協が「概算金」と呼ばれる予約金を支払う。


9月に決まった、今年の概算金は23年産米に比べて、30~40%程度引き上げられている。


もし、その前の8月に政府備蓄米の放出を決めていれば、コメ価格が下落して概算金を払った農協が損を出しただろう。(実際にはコメは一段高になり、JAの中には追加の概算金を出している。)


20日の会見の席上、江藤農水相は「民間業者(コメ卸会社)が農家から直接買いつける『庭先取り引き』が活発になって、コメの取り合いになっている」と、民間業者のせいにしている。


本当のところは、政府が備蓄を売らないと早々と決めたこと、JAグループが高い概算金を出したのが、「コメ取り合い」の引きガネになったというべきだろう。


12月は年始を前にコメ需要が高まる。新年を迎えると例年、需要は落ちてくるのがふつうだ。年明け後にコメ価格が一段高になれば、コメの備蓄制度の見直しを求める声がでるだろう。


付け加えれば、日本のコメ市場は貿易協定によって、年間約80万トンの輸入枠(最低輸入量)が設定されている。このうち主食用には10万トンが回るだけで、ほとんどが加工用や、海外への支援米に使われる。


これも安い外国産コメが主食用に出回り、コメ価格を下に引っ張らないようにするためだ。とはいえ、あまり国産が高くなりすぎると、うまいけど高いコメを食べるより、品質はそこそこでも安い外国産米を、輸入した方がいいと考える人が増える可能性がある。

































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