日銀24日に利上げ判断へ 植田総裁 「利上げを議論し、判断したい」と重ねて発言
植田和男日銀総裁は16日、第二地方銀行協会が開いた新年賀詞交歓会で、「来週(23、24日)の金融政策決定会合で(政策金利の)利上げについて議論し、判断したいと思う」と述べた。
15日の地方銀行協会主催の会合でも同趣旨の発言をしており、16日に重ねて念押しの発言をしたことで、日銀が来週、政策金利(無担保翌日物コールレート)を0.25%から0.50%に上げる可能性が強まっている。
14日にも、氷見野良三日銀副総裁が神奈川県の経済団体との懇談会で「金融政策決定会合で、利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と述べている。氷見野氏の発言は、植田総裁の「あいさつ予定」を前にした「地ならし」とみられる。
17日の外国為替市場はやや円高水準の1ドル=155円台前半で推移し、日銀の利上げを織り込みつつある。
20日には、米国でトランプ氏の大統領就任演説がある。同日に、同盟国を含めた輸入関税の一律引き上げなど、他国に経済的打撃を与える大統領令を打ち出す可能性がある。
植田総裁は、追加の利上げを検討する上で、日本の賃上げを重要な判断材料になるとしていたが、先週開いた日銀の支店長会議での報告などをもとに、「今年の賃上げは前向きな話が多いように思う」との認識を示している。
トランプ氏の演説が、為替の大きな変動や、日本株式の急落を招いた場合、日銀が利上げを見送る可能性も残る。
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(第二地方銀行は1989年に普通銀行に一斉転換するまでは「相互銀行」だった。それ以前からの地方銀行に比べると資本規模が小さく、「第二」という言い方にみられるように「格下」の扱いを受けていた。)