将棋の藤井王将 「運命の一手」逃した永瀬九段に逆転勝利 防衛にあと1勝
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将棋の藤井聡太王将(22)=棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王との7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第74期王将戦七番勝負の第3局は、永瀬九段が終盤まで有利に立ちながら、運命をわける好手を逃して、藤井王将が3連勝を飾った。
「幻の好手」となったのは、永瀬九段の113手目で、ここで5三の藤井王に王手となる5二銀「不成」と指せば、アベマAIの判定で永瀬82%:藤井18%となり永瀬がさらに優勢を築くはずだった。
しかし、この手はアベマで解説する森内俊之九段が「この手を指せば歴史に残る」というほど、トップ棋士でも見つけにくい手だった(らしい)。(仮に6二銀成なら、両者互角という判定だった。)
結果として勝敗を分けた一手に、永瀬九段は5六の桂を4四桂とはねる手を選ぶ。藤井の金の両取りになっており、藤井は自然に自玉で桂をとったが、その瞬間、アベマAIは藤井66%:永瀬34%と逆転してしまった。
森内九段が思わず、「(対局後に)永瀬さんが、藤井さんから62銀不成の手があったことと聞いたら、しびれますね」と話すと、ダブル解説の佐々木大地七段(タイトル戦で藤井と対局した)は、「藤井さんに対局で負けて、その後の感想戦で(自分のわからなかった手を聞かされ)また負けて2回負かされるんですよね」と応じていた。
その後、永瀬が不屈の粘りをみせ、森内九段が「まだわかりませんよ」という場面もあったが、藤井は間違いなく指し続け、134手で勝利した。
これで藤井七冠は王将防衛とともに4連覇にもあと1勝とした。第4局は15日と16日に大阪府高槻市で開催される。
