JA新聞 今夏 コメ不足再来を警告 政府備蓄米21万トン売却では足りない?
日本農業新聞ウエブサイトより[ニッポンの米]今夏も不足? 民間在庫110万~130万トン 6月末時点を本紙独自試算 / 日本農業新聞
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日本農業新聞(JA新聞電子版14日付け)は、同紙の試算によると、今年6月末のコメの民間在庫量が、農水省が見込む158万トンを大きく下回ると伝えた。この記事によると、今年6月末の民間在庫量は110万〜130万トンと、国内需要量の約2カ月分の低水準にとどる可能性があるという。(筆者注=23年7月~24年6月の年間需要は680万トン)
政府・農水省は上昇する米価を抑制するため、政府備蓄米を最大21万トン、売却することを決めたが、国内消費の約10日分に過ぎない。コメの民間在庫がJA新聞の見立て通りだとすれば、米価は一時的に下がるかもしれないが、25年産米の出来高次第で、端境期に再び上昇するおそれがある。
政府・農水省は、減った21万トンが、小規模業者(扱い量500トン未満)やコメ農家の倉庫などに滞留しているとみている。
JA新聞はこの滞留分21万トンが最終的に民間在庫に加わる場合で、130万トンと試算している。
コメ生産者と産地の農協組織にとって、長く低迷していた米価が上がるのは、歓迎すべきことだが、農協に出荷するコメ農家の手取りは、昨秋に各農協が決めた概算金(仮払い金)で決まっている。農協に出荷したあとに、コメの店頭価格がいくら上昇しても、農家の手取りは増えない。(追加払いをした産地農協もあるようだが)
Eコマースの普及で、農家から直接消費者に売られるコメは増えており、メルカリでも多数、多品種売られている時代だ。
米価が上がって農協離れがすすむなら、これほど皮肉なことはないだろう。
