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今さらの安倍元首相 色丹、歯舞の2島返還に変更を初公表 北海道新聞インタビューで

今さらの安倍元首相 色丹、歯舞の2島返還に変更を公表 北海道新聞のインタビューに応じる


(写真は択捉島 外務省のホームページより)


安倍晋三元首相は、北海道新聞の単独インタビューに応じ、北方領土の返還とロシアとの平和条約に関して、2018年のシンガポールでの日ロ首脳会談で、歯舞群島と色丹島のいわゆる2島返還を条件とした交渉に転換したことを認めた。
(12月26日北海道新聞電子版)



「「100点を狙って0点なら何の意味もない。到達点に至れる可能性があるものを投げかける必要があった」と語った。


安倍氏本人が領土交渉を国後、択捉、色丹、歯舞の4島から2島返還に切り替えたことを具体的に報道機関に対して、(公表を前提として)明らかにしたのは初めて。北方領土は北海道の一部ということで北海道新聞のインタビューに応じたと思われる。本来は国会で方針変更を説明するべきところだろう。


インタビューの中で、安倍氏は2島返還を軸として平和条約を締結する路線を岸田首相が継承するよう求めたと話している。ロシアとウクライナで緊張が高まっており、ロシアが領土問題で譲歩する余地は安倍政権時より狭まっており、北方領土・日ロ平和条約の前途はきびしい。


朝日新聞の記事(2021年6月の「未完の長期政権」)によると、安倍首相が4島返還から2島返還に大幅譲歩する姿勢を示したことで、ロシアは会談直後から揺さぶりを繰り返す。
 ロシアは歩み寄るどころか、外相のラブロフは「第2次世界大戦の結果、合法的にロシアに(4島の主権が)移ったと日本が認めることが第一歩だ」などと主張。原点回帰した主張を繰り返し、交渉を立ち往生させた。



2019年7月に大阪でG20が開かれたのを機に日ロ首脳会談が行われたが、北方領土問題で進展はなかった。


新聞各社はこのころから、2島返還に条件を下げた交渉が行き詰まっていることを前提にして社説などで交渉の仕切り直しを求めている。


安倍氏の政策を支持することの多い産経新聞だが大阪での日ロ首脳会談後の社説で、「ロシアの思惑を読み違え、北方四島返還の原則を曲げて迎合した結果にほかならない。・・・危惧した通りの(安倍首相の)独り相撲だった」と断じ、北方四島返還に立ち返って「交渉を大胆に仕切り直すべきである」と論じた。


同時期の朝日新聞社説は「プーチン氏の意図は、領土問題の棚上げであり、これを平和条約が必要との意欲の表れと受け止め、2島だけを交渉対象とする方針に転換したのは、首相の「大きな判断ミスだ」と非難した。安倍政権はこの失敗を率直に認め、交渉の構えを見直すべきだ。」と主張している。


朝日新聞は2島返還という返還交渉での大きな条件変更を国会で説明していないことも指摘している。


地図は外務省ホームページから

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