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相場操縦事件 メガバンク出身副社長逮捕の衝撃/自主規制ルール機能せず


東京地検特捜部は24日、相場操縦事件を巡り法人としてのSMBC日興証券と幹部5人を金融商品取引法違反の罪で起訴し、同日、「エクイティ本部」統括の副社長を逮捕した。


法人として起訴され、副社長まで逮捕されたことは「会社ぐるみの証取法違反」を問われたことを意味する。


SMBC日興証券は三井住友フィナンシャルグループ(以下FG)の100%子会社。副社長は三井住友銀行出身で、2019年5月にSMBC日興証券常務執行役員に移った。20年3月に今回の株価操縦の実働部隊となった「エクイティ本部」を統括するようになった。


メガバンク出身の副社長が株価操縦容疑で逮捕されたことは、金融業界にも衝撃を与えている。


23日に証券取引等監視委員会が発表した、同証券の「反則事実」によると、相場操縦の疑いがある取引は5件。いずれも市場が終わったあとに行われる、ブロックオファーという大口の株式取引にからむもの。


「ブロックオファー」は機関投資家(大口個人投資家も)や法人と証券会社の間で行われる。


SMBC日興証券はブロックオファーの担当部署(法人取引担当)と、自己売買部門が同じフロアにあり、ブロックオファーの際には法人部門から自己売買部門に依頼があったと報じられている。


証券会社は自主規制ルールで、法人部門や自己売買部門との顧客・取引情報のやりとりを禁じている。いわゆるファイアウォールである。これがまったく機能していなかったとみられる。


SMBC日興証券は、三井住友FG子会社になる前は、米シティーグループの子会社だった。シティグループ傘下の時は、巨額粉飾決算事件やインサイダー取引事件などが続発して、信用が地に落ち三井住友FGに事実上、買収されるに到った。


筆者は、利益第一主義の米系から、利益は重視するが世間体も気にする日本のメガバンク傘下になったことで、体質改善されるかと思っていたが・・・。それどころか三井住友銀行出身役員まで逮捕されるに到った。親会社の三井住友FGとして猛省すべきだろう。


もともと銀行と証券会社は兼営できなかったが、1990年代にすすんだ金融制度改革の際、持ち株会社の下に100%子会社として、銀行と証券会社を持つことができるようになった。


銀行と証券の間にファイアウォールをもうけることが前提であったが、それも尻抜けになっているのではないか、との危惧を持たせる。

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