ブリヂストン2事業を中国企業などへ譲渡 国内2800人が転籍
朝日新聞19日付朝刊は、タイヤ大手ブリヂストンがすすめている事業再編によって、国内二つの事業部門で約2,800人の従業員が事業譲渡先へ転籍することになると報じている。
ブリヂストンは12月10日、防振ゴム事業を中国安徽省の企業に、化成品ソリューション事業を投資事業組合(投資ファンド)にそれぞれ譲渡すると発表していたが、具体的な事業拠点や影響を受ける従業員数は明かではなかった。
譲渡対象となる事業所は国内外で22カ所、従業員は約8千人にのぼる。
国内では11カ所、2,800人弱が譲渡先に移る。国内全体の従業員の1割弱、拠点の2割強にあたる。
ブリヂストンの2020年12月期の決算は、コロナ渦による世界的な自動車の生産減によって、売上高は前期比15%減の2兆9900億円、当期損益は69年ぶりの赤字となった。
ブリヂストンの2019年のタイヤの世界シェア(売上高ベース)は14.6%で、仏ミシュラン(同15%)に次ぐ2位。
タイヤも汎用品は中国の追い上げで競争が厳しくなっている。今後、タイヤの製造拠点も再編の可能性もある。
朝日新聞記事によると事業譲渡する防振ゴム事業は国内従業員1,260人で、本社部門249人のほか事業子会社のブリヂストンエラステック(静岡県掛川市と磐田市)に997人の従業員がいる。
化成品ソリューション部門の国内従業員は1,513人で、本社部門207人、ブリヂストンケミテック567人、ブリヂストン化成品739人となっている。
朝日新聞記事は、「業譲渡された後、雇用は一定期間は維持されるとみられるが、売却先の企業や投資ファンドの経営戦略によっては、事業の継続が見直される可能性もある。」としている。
視点を変えると、中国企業の日本進出という点でも、今後が注目される。