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スリランカ 債務返済一時停止を表明 中国に金融支援要請 ますます「債務の罠」に?


ロイター通信(電子版12日付け)によると、財政危機に陥っている スリランカ中央銀行は12日、ハードデフォルトを回避するため、対外債務の返済を一時停止すると表明した。


スリランカは外貨不足と石油価格の上昇で、発電に必要な石油を確保できない状況に陥っている。


長時間の停電や経済不振で、国民の不満がたかまりデモ隊と治安部隊が衝突するなど政情不安も強まっている。


債務返済の一時停止は、返済にあてる外貨で必需物資の石油などの購入に充てるための窮余の策だ。


今後、同国は債務の再編(減免)を求めて、国際通貨基金(IMF)と支援策の協議することになる。債務再編では、近年、スリランカへの投融資を増やしてきた中国の対応が焦点となりそうだ。


スリランカ経済が苦境に陥ったのは、主要産業の観光がコロナ感染の長期化で打撃を受けたことが大きいが、中国の「債務の罠」に陥ったとの指摘もある。


近年、スリランカは中国からの投融資で港湾や空港、道路の整備を進めてきた。中国の金利は一部6%を上回る高金利とされ、港湾や空港を整備したものの利用がふるわず返済が難しくなった。


南部のハンバントタ港は、中国への債務返済が滞ったため、2017年7月から99年間にわたって運営権を売却することになった。借金のカタに取られた格好だ。


一方、ブルームバーグ通信(12日電子版)は、「スリランカのパリサ・コホナ駐中国大使は、中国からの計25億ドル(約3100億円)の金融支援が実現すると強く確信していると述べた。」と伝えている。


同通信によると、スリランカ政府はこの25億ドルについて、「7月に期限を迎える中国からの既存債務の返済にあてるほか、衣料輸出業界を支えるのに必要な繊維などの製品を同国から輸入する」としているという。


スリランカが、中国への借金を返すために借金を重ね、「借金の罠」にますます入り込むおそれがある。


スリランカは今回の債務返済停止は、一時的な措置としているが、経済立て直しに時間がかかるのは間違いなく、一時的ではすまないかもしれない。


参考情報:

スリランカ、対外債務返済を一時停止へ=中銀総裁 | ロイター

スリランカ大使、中国による金融支援を確信-約3100億円規模 - Bloomberg

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スリランカ中央銀行の2020年の年次報告書によると、対外債務の総額は約6兆スリランカルピー(約2兆3400億円)に上り、日本と中国からの債務がそれぞれ10%程度を占める。(13日付け朝日新聞による)


日本の円貨での借款金利は、日本の超低金利を反映して水道整備事業で1。4%というものがある。(平成28年度、外務省ホームページによる)

スリランカに対する円借款に関する書簡の交換|外務省

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