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国民年金 納付延長は是か非か 安倍政権下の既定路線だが負担増だけでは反発必至

上の図は厚生労働省のホームページより、「公的年金制度とライフコース」
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政府は国民年金保険料の納付期間を40年から5年間延長して45年にする方針を固め、ネット上は賛否両論で割れている。賛成といっても「少子高齢化で今の国民年金の仕組みではやむをえない」というもので、否=反対意見は「国民年金が頼りの自営業やパート、アルバイトには大きな負担増になる」という論調だ。「岸田文雄首相の悪政」という声もある。


岸田首相の肩を持つわけではないが、納付期間延長は安倍晋三首相時代に方向性が出されている。(2019年度、公的年金の「財政検証」で今後の選択肢として提示された。)その際に、期間延長した場合の支給増額についても言及している。


批判者は負担増を強調しているが、政府もさすがに?「やらずぶったくり」は考えていないようだ。


国民年金はもともと自営業者や農林漁業者などを対象にした年金だ。国民年金の保険料は、月1万6590円。40年間(480ヶ月)支払うと月約6万5千円(年間77万8000円)の老齢基礎年金を受け取る。


金額は生活保護費(単身者で10万円~13万円)に届かない。いまの国民年金は、零細自営業者や、厚生年金に入っていない、短時間労働者、フリーター、アルバイトの最低保障年金という意味合いが強まっている。現状を踏まえた上で、長く年金保険料を払う若年層も納得する改定の方向を考えるべきだ。


納付期間を延長した場合、国民年金保険料(月1万6590円)は据え置くとして、60歳から65歳になるまで5年間に支払う保険料は、60ヶ月分で99万5400円になる。100万円近く多く払って受給額が同じだと、批判者がいうまでもなく、だれも納付期間の延長に賛成しないだろう。長く払うことになる若年層からはむしろ受給減額を望む声が多くなるかもしれない。


批判論者の指摘には抜けているが、負担増と引き替えに、受給額がどのくらい増えるのかが重要になる。
以下、「マネーの達人」の記事によると、現行の老齢基礎年金は月単位の未納額があるとその分が減額される仕組みになっている。480ヶ月で満額だが、1ヶ月分足りないと1620円が減額される。


「マネーの達人」の試算は、減額とは反対に、1ヶ月多くおさめるとその分多くもらえるとする。その場合、5年(60ヶ月)分で年金額は9万7200円増えて87万5000円ほどになると試算している。
国民年金の納付期間が「5年延長される」と起こりうる問題2つ 負担増となる人とその対策も解説(マネーの達人) - Yahoo!ニュース


おおざっぱにいうと、10年(75歳)で97万2000円増えて、トントンということになる。さらに長生きすればモトがとれる?が、年金がモトを取るとか取らないとか、そういうハナシではないことは言うまでもない。


いまの国民基礎年金は原資の半分を税金でまかなっている。(厚労省は税金投入があるので受給額が支払総額より少なくなることはない、と言っている)受給額を増やすにはそれに見合った税金投入も必要になるだろう。政府は追加の税金投入は避けたいところで、厚生年金の資金を国民年金に回すという案も出ているという。


今後の議論にはよくよくの注意が必要である。

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