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SLIMの自己採点60点は甘すぎる 着陸したが月探査の主役 分光カメラは使えず なぜ?想定外の転び方

JAXAのSLIM Project 概要説明資料より。https://fanfun.jaxa.jp/countdown/xrism-slim/files/SLIM-presskit-JP_2308.pdf
太陽光発電パネルに太陽光が当たらない向きに倒れたか傾いて月面に静止し、発電できないとみられる。
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JAXA(宇宙航空研究開発機構)は月に送った無人探査機SLIM(スリム)が月面に軟着陸したあと、搭載した分光カメラで月面を撮影し、画像データを受信基地に送りくわしく調べる計画だった。


ところが、SLIMは想定外の向きに機体を傾けて静止、上面にある太陽光発電パネルに太陽光が当たらず、発電できず、分光カメラを使えない状況に陥った。


JAXAはスリムに「ぎりぎり合格の60点」をつけたが、探査できないことを差し引くとピンポイント着陸を前提にして50点が妥当なところだろう。


筆者が50点にした根拠は、JAXAじしんがスリムの目的として、①「月の狙った場所へのピンポイント着陸」、②「着陸に必要な装置の軽量化」③「月の起源を探る」を挙げていることだ。筆者は①の配点を50点にした。


スリムの「着陸機構」は1本の主脚と4本の補助脚からなる。主脚から月面につきSLIMをわざと転ばせて、発電パネルが上面に向いた状態で静止する。倒れたときの衝撃は4本の補助脚で吸収する仕組みだ。主脚、補助脚は軽量化のためアルミ製で、ハニカム構造がつぶれることで衝撃を吸収する。


筆者はJAXAの実況中継を見ていたが、降下軌道に入ってから月面に到達する寸前まで、予定軌道に乗っているようにみえた。しかし、何らかの理由で想定外の向きに倒れて静止した。(JAXAの実況中継も成否不明のまま終わった。)


上にあげた目的②の「装置の軽量化」には成功したが、太陽光発電ができない向きに倒れて、③の「月の起源をさぐる」ための分光カメラが使えなくなったのであれば、②については部分点しかつけられない。(着陸機構の問題ではない可能性もあるが・・・)


JAXAによると、スリムは20日午前零時20分に着陸した後、搭載したリチウム電池を使って、降下中のデータや着陸した後のデータを午前2時57分までの間、JAXAの受信基地に送っている。


その間に、分光カメラが月面の画像をとらえたデータが得られている時は、筆者の勝手採点は70点に上がる。探査が部分的(短時間)とはいえ成功したからだ。


JAXAは月面からスリムを撮影するために、カメラ(静止画)搭載の超小型変形ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」2機を、月面に放出した。JAXAによると、1機の通信データが得られているという。着陸したスリムの映像が得られれば、80点をつけたい。


JAXAはねらった地点から100メートル以内のピンポイント着陸を目標に掲げてきた。このデータ解析には1ヶ月かかるという。ピンポイント着陸できていないときは、残念ながら基礎点は40点にさがる。


JAXAは発電パネルに、月の西側から太陽光があたれば発電できる可能性があると言っている。そのためにリチウム電池な若干の容量を残して止めたという。太陽光発電の機能回復を祈るものである。

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