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バブル期PBR水準なら日経平均10万円もアリ? 東大教授提唱 土地含み益上乗せのQレシオもあった

YOU TUBE TBS NEWS DIG 日経平均株価、一時3万6000円を突破 5営業日連続バブル後最高値更新|TBS NEWS DIG - YouTube
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15日の東京証券市場では、日経平均株価は一時400円以上値上がりして、一時3万6,000円台を回復した。終値は先週末の12日より324円高い、3万5,901円だった。


筆者は1月11日のブログで、バブル期の1990年以降、日経平均株価を構成する225銘柄のうち7割以上が入れ替っており、1989 年末につけた日経平均株価の史上最高値3万8,915 円(終値)と、別物になった今のシン日経平均株価を比べることに意味はないと書いた。


そう言いながら、筆者は手のひらを返して、1月12日のブログでは、シン日経平均がいくらなら「バブル」水準になるのか、日経平均(225種)の株価収益率(PER)をバブル期と現在とで比較したのだった。


前置きが長くなったが、手のひら返しを続けて、一株あたり純資産額のPBRについてシン日経平均と往時のそれを比較してみる。


PBRは「Price Book-value Ratio」の略で、1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示している。有り体にいえば、企業がいま解散した時に、株主に株価に見合うおカネを払う余力があるかどうかということになる。(資産が帳簿価格で売れることを前提にしている。)


日経平均の1月15日のPBRは指数ベースで1.93倍だった。バブル期の1989年末には東証1部上場銘柄でPBRは5.6倍だった。日経225銘柄と東証1部平均を単純に比べることはできないが、日経平均株価がいまの3倍、10万円以上になって、往時の日経平均PBRと同水準ということになる(だろう)。


バブル期には、企業利益を尺度にするPERに比べて、PBRが割高になったことを正当化するために、地価を帳簿価格(Book-value)ではなく、時価評価して含み益を上乗せすることで正当化する「理論」が生み出された。


それが、Qーratio(キューレシオ)と名付けられた理論だ。いまは忘れられているが、バブル期には東大のW教授が提唱したというので脚光を浴びたのである。


PBRは、実際的にはーー企業が継続するゴーイング・コンサーンのもとでは、企業が「純資産」を有効に使っているかどうかの尺度と考えたほうがいい。


その尺度も、たとえば土地を例にすれば、不動産会社や建設会社の土地資産と、トヨタ自動車などのメーカーの土地資産では、考え方が異なるだろう。銀行でも処分できない不動産担保を資産として抱えていれば問題外である。


前回も書いたことだが、バブルのころは高いPER、PBRでも、「将来の利益が上がり続けるだろう。純資産も増え続けるだろう」と正当化されたのだ。


東京証券取引所はグロース市場を除く上場企業を対象に、PBRが1倍を下回る企業にPBRを上げるよう促しているが、業種を問わず一律に促しているのは「おかしい」ことだ。PBRが妙に高い企業は、バブルということもありうるのだ。


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(日経ヒストリカルデータによると、PBRは構成銘柄の加重平均ベースでは1.40倍となっている。日経平均株価は基本的に株価の単純平均で算定している。ここでは指数ベースのPBRを使った。)

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