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グレタさんは石炭火力より「原発」を推奨 エネルギー危機の「ドイツ」で発言 独公共放送インタビュー


ドイツ公共放送ARDのインタビューで、「(原発を)停止して、石炭(火力)に頼るのは間違った考えだ」と語るグレタさん。Greta Thunberg: Why Germany should focus on nuclear power instead of coal | maischberger - YouTube )
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毎日新聞電子版(13日付)によると、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、ドイツ公共放送ARDのインタビューで、地球環境保護の点から原子力発電は「いい選択か」と問われたのに対し、「原発が稼働しているのであれば、それを停止して石炭(火力)に変えるのは間違いだと思う」と答えた。
グレタさん原発「擁護」発言、ドイツ推進派が歓迎? SNSで話題 | 毎日新聞


ドイツはロシアのウクライナ侵攻により、ロシアからの天然ガス輸入がほぼ途絶えた。電力供給を維持するため、稼動を停止した石炭火力発電所を期限付きで稼動できるようにするとともに、運転を止める予定だった原子力発電所3基のうち2基を来年4月まで再稼働できるようにした。


原発再稼働については、与党「緑の党」のハベック経済・気候保護相が来年4月に脱原発を完了させることを主張しているのに対し、連立与党の自民党は再稼働を3基に拡大し、期間も24年まで延ばすよう求めており、連立与党内で論争が起きている。


グレタさんは、脱二酸化炭素のための原発活用を容認する立場になったようにみえる。もっとも、母国スウェーデンの電力事情を考えれば、「変節」というわけでもない。スウェーデンは化石燃料資源に乏しいことから、発電は、水力と原子力がそれぞれ40%を占め、あとは風力10%、森林資源を活用したバイオマス発電が7%となっている。(2016年、残りは火力発電など)


スウェーデンは一時期(米国でスリーマイル原発の事故があった後の1980年代)、脱原発に動いていたが、その後、原発は現状を維持する方向に変わった。ウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機から、原発の維持、さらには増設を容認する声も出ているという。


グレタさんの発言は母国スウェーデンの現状を踏まえたものかもしれないが、「(二酸化炭素を出さない)石炭火力より原発の方がまし」ともとれる。グレタさんの発言は、「原発もダメ、火力発電もダメ」という日本の環境保護派に影響を与えるだろうか。


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蛇足:スウェーデンは放射性廃棄物の処理では、使用済み核燃料をワンスルーで地中処分にする方針で、候補地の選定作業に入っている。スウェーデンは地質的に大きな地震が起きないといわれている。2016年3月に「過去100年で最大」のマグニチュード4.6の地震が発生してニュースになったぐらい。

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