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王位戦初戦は藤井王位が薄氷の勝利 千日手指し直し「死闘」 制する 渡辺九段に痛恨の失着

深浦サブロー


将棋の藤井聡太王位(21)=竜王、名人など7冠=に渡辺明九段(40)が挑む第65期王位戦第1局は7日、名古屋市で指し継がれたが、双方慎重な指し手が続き、千日手が成立した。


指し直し局は先手に変わった渡辺が優勢から勝勢を築いて、中継するABEMA・TVのAIは渡辺99%対藤井1%と23手詰めを示したが、渡辺の119手目に失着があり、藤井の逆転有利に形勢が一変、136手目で渡辺九段が投了し、藤井が死闘の末に大きな勝利をもぎとった。


1日目は互角の形勢で、藤井が45手目を封じて終了した。
2日目は双方ともに攻め手を出さないまま、後手番渡辺の80手目で千日手が成立した。


両者の対局は昨年6月、藤井が4勝1敗で渡辺から名人のタイトルを奪って以来ほぼ1年ぶり。これまでの対戦成績は藤井が20勝4敗、王位戦を含めた過去5度のタイトル戦では5戦して5勝と圧倒している。


千日手指し直し局は先後を入れ替えて対局する。持ち時間は渡辺が藤井に1時間以上の差をつけて有利な状況。これを活かして渡辺九段が優勢を築き、ABEMA・TVで解説する鈴木大介九段も「この対局は渡辺さんの研究が生きている感じです」と渡辺の勝利を確信する展開となった。


対局姿勢も、渡辺の背筋はすっきり伸びているのに対して、藤井は前かがみで明らかに精彩を欠き自身の負けを覚悟しているかのようだった。


形勢が一変したのは、渡辺が119手目に指した藤井玉に王手をかけた3二銀の一手。ABEMAの将棋AIの候補手にはない「失着」だった。


ここまでに渡辺も持ち時間を使い、双方1分将棋に追い込まれる中での逆転劇に、ABEMA解説の鈴木九段も「こんなこともあるんですね」と絶句していた。

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