時代遅れの新聞読みブログ

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植田氏 昨夏に総裁候補リストに 15日朝日新聞記事 米欧中銀トップと話のできる人が条件

YOU TUBE 日テレNEWSより 国会で「(日銀次期新総裁には)質的コミュニケーション能力が格段に重要」と説明する岸田首相
【日銀総裁に植田和男氏】岸田首相「コミュニケーション力を重視」起用の理由を説明 - YouTube


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15日の朝日新聞一面記事「日銀・新総裁へ」「植田総裁案国際性を重視」によると、岸田文雄首相は昨年夏ごろに次期日銀総裁に学者を含めた20人ほどの候補者のリストをつくり、検討に入っていたという。
(日銀新総裁へ)極秘裏に首相が接触:朝日新聞デジタル


記事によると、昨年暮れごろから、首相と麻生太郎・自民党副総裁、茂木敏充・自民党幹事長の3人で話合いを重ねて、「主要国の中央銀行トップたちが、意見交換をする『インナーサークル』」に入って緊密に連携をとり、市場とも対話ができる人」というのが次期総裁の条件ということで一致したという。


2月13日付け当ブログでは、黒田東彦・現日銀総裁が、債券価格の理論について初歩的な知識しか持ち合わせていない可能性があると指摘した。
黒田総裁は初歩理論しか知らなかった? 理論派・植田氏に重荷残して去る - 時代遅れの新聞読みブログ


そのせいで、学者や民間出身者の多い米連邦準備制度理事会(FRB)はじめ海外中央銀行トップとの意思疎通が難しくなっていたと筆者は考えている。


麻生氏は2012年末に第二次安倍内閣が発足時から2021年10月に岸田政権が発足するまで、長く財務相(金融担当相)を務めてきた。(最長記録)その間、先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)やG10、G20に黒田総裁と出席したことは多々あり、麻生氏が黒田氏の国際的な発信力に不安あるいは不満を抱いていた可能性もある。
(もしそうだとしても口が裂けてもいえないだろう。)


植田氏は東大理学部数学科を卒業後、東大経済学部に学士入学し、数理経済学や国際金融論を学んだ。その後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)に留学し、米準備制度理事会(FRB)副議長を務めた著名経済学者スタンレー・フィッシャー氏の指導をうけ博士号を取った。


海外ヘッジファンドが駆使する先端の「金融工学」(高等数学の応用版)の知識も持ち、相手がだれであれ(FRB議長でも著名エコノミストでも、投資家であっても)英語の説明能力は十分とみる。


朝日新聞記事によると、麻生氏は直前まで植田氏の名前を知らされてなかったという。そうだとしても、麻生氏の納得できる人選だったのではないか。(東大経済学部卒、ハーバード大学大学院に留学した茂木自民党幹事長も)


植田氏にとって、国内に向けた説明の方がむしろ難しいおそれがある。自民党安倍派に「異次元緩和原理主義」といえる動きがあることも懸念材料だ。理論を持ち合わせてない人には、どんな理論をもってしても対抗できないからだ。理論的に異次元緩和の誤りを示すことは、かえって市場を混乱させるおそれが・・・なきにしもあらずである。

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