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最賃1,000円超えも 物価の後追いで生活改善 実感なし?地域格差も課題

YOU TUBE 2015年11月25日 ANN NEWS 経済財政諮問会議の会見で最賃時給1000円をめざすと語る当時首相の安倍晋三氏。当時、最賃の平均額は798円だった。最低賃金「時給1000円に」安倍総理が目標示す(15/11/25) - YouTube
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厚生労働省・中央最低賃金審議会の小委員会は7月末に、最低賃金(時給)を全国加重平均で41円(4.3%)引き上げて1,002円とする目安をまとめた。


岸田政権が目標とする1千円台を超えたが、6月の全国消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いた、総合指数で前年同月比で3.3%上昇した。


物価上昇分はカバーできる水準だが、実際に最賃が効力を持つのは10月1日以降(都道府県で異なる)になる。(最低)賃金引き上げが物価の後追いになっているのは明らかだ。


実際、厚労省が毎月発表する物価上昇を差し引いた実質賃金は、5月は前年比1.2%で、14ヶ月連続のマイナスとなっている。最賃引き上げによって、賃金労働者の20%程度(最低賃金かそれに近い低賃金で働いている人)にプラス効果があるといわれるが、おそらくは生活改善の実感は薄いだろう。


最低賃金1,000円超えだけに目を向けていると、見過ごされることがある。仮に時給1,000円で法定労働時間の上限(2,085時間)まで働くとして、年間では208万5千円となる。そこから税金、健康保険料、厚生年金または国民年金保険料を支払えば、筆者の大ざっぱな計算では手取りは170万円程度となる。(筆者在住の東京都多摩地区A市の場合)
単身者なら生活がやっと成り立つだろうが、これでは結婚して子どもを持つことをためらわざるをえない。


(結婚のあり方は多様化している。子どもを持つもたないもそれぞれの考え方であるのは言うまでもない。)


地域格差の問題もある。最賃審は47都道府県を経済情勢に応じてA~Cのランクに分けて賃上げの目安を示している。各都道府県の最賃審がそれぞれ引き上げ額を決め、秋に改定する。現在は最も高い東京都が1,113円、最も低い東北、四国、九州、沖縄の9県が892円だ。その差は20%にもなる。
これでは労働力の移動によって、地方の過疎と人口の東京集中が進むのは当然のことだ。
(ただし沖縄をのぞく。)


政府は最低賃金1,000円超えを達成したあとの、最低賃金のあり方について論議をするそうだが、地域間格差の是正と合わせて、少子化を克服できる「最低賃金」を考えるべきだ。

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