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将棋の藤井八冠 叡王を失冠 同学年伊藤七段に敗れる 先手得るも反撃に屈する

深浦サブロー


将棋の藤井聡太叡王・八冠(21)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=は20日、2勝2敗で迎えた叡王戦第5局で挑戦者の伊藤匠(たくみ)七段(21)に敗れ、叡王を失い七冠に後退した。自身の持つタイトル戦の連勝記録は23で止まった。


五番勝負の最終局となる第5局は、改めて先手後手を決める「振り駒」を行い、藤井叡王が先手番を得た。藤井は2016年の棋士デビューから、この対局まで、先手で193勝23敗1持将棋(勝率8割9分3厘)、後手で180勝51敗(同7割7分9厘)という成績。多くの藤井ファンは先手を得たことで、藤井の運の強さを確信し、勝利を期待したことだろう。


対局は角換わりですすみ、藤井叡王が穴熊に囲ったのに対して、伊藤は右玉に構えた。角換わりはAIソフトによる研究がもっとも進んでいるといわれる。ふたりとも持ち時間を使わず、早いペースで指していく。


藤井叡王は銀を捨てて伊藤玉を追い込んでいく。対局を中継するABEMA・TVの将棋AI判定は、次第に藤井有利にふれて、藤井64対伊藤36となる。しかし、伊藤七段は自陣の飛車を藤井の角に取らせて、手番を握り反撃に出ると、評価値は藤井50対伊藤50に戻る。


ABEMA・TVで解説する増田康宏八段(26)は、「(AIの)数字は互角を示してますが、流れは伊藤さんに変わりましたね。(藤井叡王に)に見落としがあったかもしれません」と話した。そのとおりに形勢は、伊藤有利から勝勢になった。


藤井叡王も粘りをみせたが、152手目で無念の投了となった。


両者のタイトル戦での対戦は、2023年度竜王戦七番勝負が初顔合わせで藤井の4連勝、同年度棋王戦五番勝負が初戦持将棋のあと藤井3連勝と、藤井が圧倒していた。この叡王戦で伊藤は初戦を落としたが、2連勝して藤井をカド番に追い込み、最終的には3勝2敗と星を返すことができた。


伊藤新叡王は対局後の記者会見で、「これまでのタイトル戦では、藤井さんに力の差を感じさせられた。(叡王戦でも)苦しい展開が多かったが、勝つことができてよかった。タイトル獲得は棋士になったときから夢だった。周りの人に感謝したい。」「藤井さんにここまで引き上げてもらったと思っている。これからもタイトル戦で藤井さんと戦えるよう頑張りたい」と話していた。


藤井叡王からのタイトル奪取は、多くの藤井ファンを悔しがらせ敵に回した?かもしれないが、同年代のライバルの出現は将棋界全体にとってはプラスも多々あるだろう。なんといっても、将棋は2人で指すものである。

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