ペロシ訪台で日中関係は冷却へ 中国の対日制裁は要警戒か 情報機器とレアアース焦点
(日テレNNEWS
【中国軍】台湾囲む“異例”の大規模軍事演習を開始 - YouTube
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ペロシ米議長の台湾訪問に反対する中国は、台湾を取り巻く海域で軍事演習を実施し、中国軍の弾道ミサイル5機が日本の排他的経済水域EEZ内に着弾した。また、カンボジアの首都プノンペンで予定されていた日中の外相会談は中国側の申し入れで急きょ、中止になった。
中国の反応は、日本も加わった先進七カ国・G7声明が中国の軍事演習を非難したことや、ペロシ氏が訪日し岸田首相と会談したことへの抗議的意味があるだろう。
日本は9月の日中国交正常化50周年に向けて、関係改善の動きもあったが、今回のペロシ議長の訪台、訪日によって、日中関係は当分、冷え切った状態が続くとみられる。
今後の米中の動向にもよるが、中国側が日本に貿易・投資面で無理・難題(非関税的な規制)を求めてくる可能性もある。
そのひとつ、ペロシ訪台以前に、中国政府は、中国国内で販売される複合事務機器やプリンターなどのオフィス機器(サーバー、プリンターも)について、一種の国家標準を定め、海外企業に中核部品を含めた中国現地での開発や生産を求める方針を打ち出している。
これに対して、中国に進出する日本メーカーや日本政府は、「中国の国家標準」によって、市場から排除されるおそれがあることや、中国での生産が技術情報流出につながることを危惧し、見直しを要請している。今後、これが厳格に適用されるおそれはある。
また、中国は超強力磁石の材料に使われるネオジムなどの「レアアース(希土類)」金属を、安全保障を理由にした「輸出管理法」のもとで、貿易規制の対象にしている。米国による中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する制裁への対抗措置として、20年12月に施行された。
輸出管理法は米国を念頭においた規制といわれる。これが、日本に輸出されたレアアース製品(たとえば電気自動車用モーター)も規制の対象に含まれる可能性がある。(中国の輸出管理法には米国の貿易関連法と同じく「域外適用」がある。)
2010年に尖閣諸島の国有化をめぐり日中関係が緊迫した時、中国が環境保全を理由に日本へのレアアース輸出量を絞った経緯がある。(レアアース抽出には特別
中国はレアアースの世界生産の58%を占め、日本への輸出が輸出総額の49%と言う現実がある。
「カネより大事な価値がある」とはよく言われることである。それを否定するつもりはないが、中台(米)問題がハードクラッシュした場合は日本も政治、経済、社会ひっくるめてただではすまない。
日本政府の台湾問題をめぐる公式な立場は「平和的に解決するよう両岸(台湾と中国)の努力を望む」というもの。なかなか含蓄深い。
民主主義の価値を言ってやまない、ペロシ議長だが自分の家の裏庭にミサイルが落ちてくることは到底想定していないと思われる。
台湾海峡は日本の生命線と安倍首相は生前言っていたが、安倍首相が日本の民主主義をどう考えていたかは今や謎になってしまった。
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