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日銀総裁に3有力候補 雨宮、中曽、山口の各氏 脱「異次元緩和」できるのはだれか?

YOU TUBE 日テレNEWS 「異次元の金融緩和」の見直しが必要と述べる平野信行三菱UFJ銀行特別顧問 【令和臨調】政府・日銀に金融政策について新たな「共同声明」求める提言 - YouTube


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ブルームバーグ通信(2日、電子版)は、日本銀行の次期総裁として3人の候補を挙げて、それぞれが総裁になったときの為替相場への影響や、超金融緩和政策のいわゆる出口戦略との関連について、大胆ともいえる予想をしている。
次期日銀総裁人事に世界が注目、予想される各市場の反応を探る - Bloomberg


3人は現副総裁の雨宮正芳氏、前副総裁の中曽宏氏、元副総裁の山口廣秀氏。


雨宮氏の場合、これまで黒田東彦総裁の主導する「異次元の金融緩和」を副総裁として支えてきたことから、総裁となっても「金融緩和」姿勢を急には変えないだろう、とみられている。このため、為替相場はやや円安に戻すことになるとみている。日本株は大幅高と予測する。


ブルームバーグが「(雨宮総裁なら)日本株が大幅高」とみる理由は不明だ。黒田総裁は「円安」は日本経済には総じてプラスと言ってきたが、いまのところは外れている。円安は輸入物価の上昇を招いた。円安下でも貿易赤字が拡大基調にあることを注意する必要がある。


中曽宏氏について、ブルームバーグ記事は「雨宮氏よりややタカ派」とみている。「タカ派」といっても、日銀がただちに「金融引き締め」に向かうかというとそうはみていない。ただ、中曽氏が総裁になった場合、「10年債利回りを金利操作の対象とすることをやめるかもしれない」との債券トレーダーの見方を紹介し、ドル・円相場は2円程度ドル安円高になる可能性を指摘している。


山口廣秀氏は黒田総裁の前任、白川方明氏が総裁だったときの副総裁だ。金利を下げるだけで経済成長、物価上昇が達成できるという「リフレ派」の考え方に否定的だった。ブルームバーグは、山口氏が就任した場合、「超金融緩和政策の早期終了期待が一気に高まり、大幅な円高や世界的な債券利回りの上昇につながる可能性がある。」としている。


山口氏が総裁になったときの「市場は混乱する」との書きぶりはおおげさだろう。海外投資家は、日本の国債市場が正常化に向かわない=価格形成機能を喪失した状況が続く方が、稼げると考えているのかもしれない。


昨年12月20日銀は、海外勢の国債の売り圧力に負ける形で、長期国債の上限金利を0.25%から0.50%に引き上げ、海外ヘッジファンドに負けを喫したことは記憶に新しい。長期金利をゼロ近傍に抑える「異次元緩和」を続ける限り、金利カーブはゆがみ、ヘッジファンドに稼ぎ場を提供することになるだろう。


自民党安倍派には日銀の総裁がだれになろうと、異次元の金融緩和=日銀による国債買い入れを求める声が強いようだ。このところ不人気をかこつ岸田氏が、最大派閥の安倍派に配慮して、黒田氏の政策を支えてきた副総裁の雨宮氏を指名する可能性はありそうだ。


日銀の異次元緩和の弊害について、経済人と学識経験者でつくる「令和臨調」の三菱UFJ銀特別顧問・平野信行は「異次元緩和で日銀が事実上、国債を買い支えており、国がいくら借金しても大丈夫という意識やばらまき財政支出に歯止めがかけられない。成長戦略や構造改革が先送りされて金融政策の正常化も遅れる悪循環となった」と指摘している。


だれが総裁になろうと「異次元の政策」からの脱却、正常化が求められるーーのは確かだ。

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