核燃料デブリ 3グラムの試験取り出し後の大きな壁 総量880トン 高放射能なら振り出しに

東京電力資料より、試験的取り出しの概念図 黄色が「つり竿」装置
TEPCO|燃料デブリ ポータルサイト
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東京電力福島第一原発2号機で残存する核燃料溶融物(核燃料デブリ)の試験取り出しが10日、始まった。
政府と東電は2051年までの廃炉完了をめざし、今回の燃料デブリ取り出しを廃炉工程の「第3期」と位置づけるが、今回取り出す燃料デブリは重さにしてスプーンいっぱい分の3グラムに過ぎない。
1号機から3号機に残存する燃料デブリは重量にして880トンに上っており、51年までに始末するには毎年30トン(3グラムの1000万倍)を取り出して、安全に処理することが必要となる。
早晩、51年の完了は見直さざるをえないだろう。
最初のハードルは、取り出したデブリがどの程度の放射能をもっているかによる。
原子炉格納容器から取り出した、デブリは、放射線をさえぎる金属製の箱の中で、放射線量
を測る。このとき、表面から20センチメートル離れた位置で、1時間あたり24ミリシーベルトを超えていれば、作業員の被曝(ひばく)を防ぐため、格納容器の中に戻す。
東電は、事前の内部調査によって、3グラム程度なら24ミリシーベルトを超えないという判断をしているとみられるが、仮に、超えれば計画は振り出しに戻ることになる。
24ミリシーベルトを超えず、取り出しに成功した場合、デブリは茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構に運ばれ、今後のために成分分析などをする。
2号機は「つり竿方式」で試験的な取り出しをすることになったが、本格的なデブリ取り出しの手法はいまだ、決まっていない。1号機と3号機については原子炉の破壊程度がひどく、放射線量が致死レベルの高さのところがあるため、試験取り出しのメドすら立っていない。
朝日新聞の10日付け記事の中で、日本原子力学会の宮野広・廃炉検討委員長は、「もっと大きな固まりで取り出す方法を開発できなければ、取り出しに何年かかるかが計算できない。現状では、51年の廃炉ができるかどうか、話にもならない」と述べている。
デブリ取り出し開始 「最終段階」先行き不透明 福島第一:朝日新聞デジタル
東電は、つり竿装置にあたる、押し込みパイプをつなぐ順番を間違えたため、作業を延期していた。10日の時点で、押し込みパイプを、原子炉格納容器の手前まで、つり竿装置を入れたという。
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東電のQ&A資料によると、本格的な取り出しが可能になった場合、核燃料デブリは、遮蔽・放射性物質閉じ込めのため、金属製の密閉容器に収納したうえで、発電所内に整備する保管設備に移送し、金属またはコンクリート製の密閉した部屋の中で保管(乾式保管)をすることになっている。
その後の扱いについては、調査や研究開発等の成果をふまえつつ、処理に向けた検討結果を踏まえて決定していくものと考えており、国と連携して進めていくという。
何も決まっていないということだ。