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自民総裁選 石破氏の逆転はなぜ 高市応援団がネットで小泉批判も初回議員票は首位 麻生氏に誤算?


自民党総裁選の決選投票で、石破茂、高市早苗両氏の議員票の上積み分がどう動いたかを推定した。単記無記名投票なので、だれがだれに入れたかは本人が言わない限りわからない。筆者の勝手な見立てである。
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自民党総裁選は、初回投票の議員票では3位だった石破茂氏が、決選投票(議員票)では高市早苗氏に16票の差をつけて、逆転勝利を収めた。初回に小泉進次郎氏ら7人の得た議員票はどう動いたのか、推測してみた。


事前のマスコミ調査では、石破、高市、小泉の3氏が上位を競い、ほかの6人に差をつけていた。中終盤戦に入り、小泉氏が候補者インタビューや、討論会で的はずれな発言を重ね、失礼ながら「能力不足」を露呈して、支持を減らしたといわれる。


YOU TUBEでは、高市支持派の評論家(昔の安倍晋三氏応援団)が小泉氏の発言をあげつらい、評価を下げるのに一役も二役もかっていた。

【非常識すぎる発言】自民党総裁選の小泉進次郎候補のバックについて髙橋洋一さんが話してくれました(虎ノ門ニュース切り抜き)
それでも、小泉氏は議員票で初回1位の75票を得ている。総裁選の次には遠からず衆院総選挙がある。国会議員は選挙に勝たなければ、ただのヒトである。浮動票の獲得を考えて、政治家としての能力は別にして、小泉氏を担ぐことを考えたのだろう。


さて、小泉氏が初回に獲得した議員票75票が、決戦投票でだれに行ったかを考えてみる。


初回議員票に小泉氏が得たのは、とりあえず「勝馬」に乗ろうとする浮動票だと考える。これが決戦投票では、高市氏に40票、石破氏に35票(反高市票といえるかもしれない)とほぼ同数が移動したと筆者はみている。


もちろん、これでは逆転にはならない。4位以下の候補者の票が決戦では石破氏により多く投じられたとみるべきだろう。その大本は、旧岸田派から立った4位林芳正氏と、7位上川陽子氏の2人の票とみる。


この2人で合わせて議員票61票を得ているが、旧岸田派が46人(解散時)だったことを考えると、一定の結果を出したといえるだろう。


岸田氏は最終決戦では石破氏の勝利というよりは、高市氏の総裁就任阻止に力を注いだのではないか。高市氏は「タカ派」的な姿勢を明確にして、「首相になったら靖国神社に参拝し、中国に対しては毅然たる対応をとる」と明言していた。


暗に、岸田氏の対中姿勢を弱腰と批判しているのだが、自民党内には、高市氏が総裁=首相に就任した場合、日中関係が一気に「対話不通」の状況に陥ることを危惧する声があったという。


そもそも、出直し総裁選は、政治資金パーティの裏ガネ問題が発端だった。それなのに、高市氏の推薦人には裏ガネ問題で名のあがった議員6人が入っていた。(高市氏は裏ガネといわず記載漏れと言っている。)


岸田氏は最終的には、裏ガネ問題でみずからの責任をとる形で辞めた。その出直し選挙なのに、高市氏は総裁選の合間にも「政治はカネがかかる。」と言ってやまず、裏カネ問題の反省がみられなかった。岸田氏が、高市氏の総裁就任をなんとか阻止したいと考えてもおかしくはない。


旧岸田派の林氏(4位)と上川氏(7位)に入った票はすべて石破氏に行ったと筆者はみる。


高市氏は前回の総裁選挙では、安倍氏の支援を得て戦った。安倍派は派閥解散前に96人の勢力だった。


高市推しの産経新聞は、総裁選当日の27日、麻生太郎氏が1回目の投票から高市氏に投票するよう麻生派の各議員に伝えたと報じた。麻生派はただひとつ派閥を解散していない。所属議員数は54人である。


高市氏の初回得票は72票である。当人は安倍氏の意志を継ぐとアピールしたが、旧安倍派議員の支援はまとめきれていないようだ。


また、1回目から麻生派議員が高市氏に投じていたら、小泉氏を引き離していたはずだ。それでは、高市氏が決選投票で議員票をそれなりに増やしたのは、だれの票が動いたのか。


初回得票5位の旧二階派、小林鷹之氏の41票、6位の茂木敏充氏の34票が、それぞれ高市氏と石破氏に分かれて移動したのではないか。小林氏は前回総裁選で高市氏の推薦人として名を連ねており、高市氏への票が多かったかもしれない。


河野氏は1回目22票にとどまり、党員票も18票だった。かつての人気を考えると寂しい結果だ。これも、麻生氏が1回目の投票から高市氏に投票するよう指示をしたとすれば、うなずけることだ。


石破氏の総裁選勝利が決まった後、麻生氏が終始、渋面をつくっていたのが印象的だった。考えていたほどには高市氏に票が集まらなかったのかもしれない。


河野氏は産経新聞の記事について選挙妨害だと言っているようだ。両氏の今後の関係に影響しそうだ。


加藤勝信氏の初回得票は推薦人の人数20人に届かない16人にとどまった。それにもかかわらず、石破氏は、加藤氏を重要閣僚の財務相に起用すると伝えられている。初回から加藤氏の推薦人4人は石破氏に投票し、決選投票では20人すべてが、石破氏に票を入れたと考えると、つじつまが合うがこれも憶測に過ぎない。


(なお、決選投票では無効票、白票が計5票あった。勝手ながら票数のつじつまを合わせるため、加藤氏に投票した人が決戦では無効票を投じたことにした。)

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