小規模コメ農家のため 消費者は高米価を甘受すべきか 高騰米価のあらぬ余波

農林水産省の農産物生産統計より。コメの作付け規模1ヘクタール以下では、コメ出荷価格が1俵(60キロ)1万6000円以上でなければ家族労働費、自己資本利子、自作地地代分が赤字になる。
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集英社オンラインは、コメ農家の記事の中で、茨城県の耕作面積80アール=0.8ヘクタールという小規模コメ農家が「今の(コメの店頭)価格帯5キロ4000円〜4500円でようやく私らはやっていけるって感じなんです。」という声を紹介している。
ネットで「こたつ記事」があふれている昨今、現場取材をする労を多とするが、難点をあげると、小規模コメ農家の収入が少ないのは、耕作面積の狭さという絶対的な制約条件のせいである。(日本のコメ農家の平均耕作面積は1.5ヘクタール程度だから、0.8ヘクタールはその半分である。)
減反政策で1戸あたり耕作面積が小さくなったという誤解があるのかもしれない。しかし、1戸・1経営体あたりの耕作面積はむしろ大きくなっている。政府・農水省も効率化=コスト削減のため、委託耕作の拡大などをすすめてきいたのだ。
記事によると、このコメ農家は130俵(7,800キロ)の収穫があり、家族と親類が食べる以外のコメはすべて農協に出荷したという。
日本農業新聞によると、JA全農いばらきが、24年産の1等米、1俵(60キロ)あたり支払った概算金(予約金)は昨年より5,300円アップの1万8,000円だった。
130俵すべてを農協に出荷したとして、概算金の総額は234万円(アップ分は68万9,000円)になる計算だ。ここから農協が、苗代、肥料代、農薬代、カントリーエレバーター使用料(モミの乾燥、貯蔵、調製=脱穀、出荷などの経費)などを差し引いて、生産者に支払われるおカネが、コメ農家の手取りとなる。
記事によると、この農家が農協から振り込まれたのは「12万円から13万円程度だった」という。田植え機やコンバインなど、農機具の償却(5年の定額償却)などを考えると、「実質赤字」なのかもしれない。(少なくとも24年は赤字だったと思われる)
頑張っている農家に酷なことを承知でいうと、作付け面積80アールで、コメ収入だけで生計を立てるというのが土台、無理な話なのだ。もし、80アールで粗収入400万円をのぞむなら、農協は概算金をさらに1俵1万円以上、うわ乗せしなければならない。そのとき、消費者が店頭の米価に耐えられるとは思わない。
この農家は「専業なんてとても無理」と言っているが、それは米価が安いからではなく、耕作面積が小さいからなのだ。言葉尻をとらえて申し訳ないが。
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日本のコメ農家の平均的なコメ収穫量は10アールあたり530キロ程度である。(茨城県の10アールあたり平均も約530キロだ。)耕作面積80アールだと、収穫量は4,240キロ程度になる。
集英社オンラインが取材したコメ農家は80アールで7,800キロの収穫があったと書いているが、多収穫米をつくっているとしても多すぎる。気になる点である。
農水省の統計によると、米作10アールあたりの労働時間は、22時間程度だ。80アールでは単純計算で172時間となる。