米価2倍になっても「コメ農家時給10円」キャンペーンを続ける不思議 赤字なら止めてもらって結構

上の表は令和6年3月農水省資料「米の消費及び生産の近年の動向について」より、令和3年産の農林水産省・農産物生産統計をもとにしているので、コメの卸、小売価格が急騰した2024年以降、コメ農家の所得はかなり改善がすすんだはずだ。
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店頭の米価が昨年の2倍に高騰しているのに、コメ農家の経営がなお苦しいという報道や、「コメ農家の時給10円」というキャンペーンに乗っているマスコミがある。
【令和の百姓一揆 密着ルポ】"時給10円"コメ農家の悲痛な叫びを聞け!「わずかな手切れ金で先祖伝来の土地を渡せと。まさに棄農政治」(週プレNEWS) - Yahoo!ニュース
消費者に2倍の負担をしてもらっても赤字というなら、小規模農家に無理をして(赤字を出してまで)コメ作りをしてもらう必要はないのではないか。
コメ作りは規模が大きいほど単位面積(コメ収量)あたりのコストが低くなる。農水省の統計では1ヘクタール(100アール)以下の規模では、所得ベース(粗収入マイナス生産費総額)で赤字になる。(小規模農家では、農機具の償却負担が過大なことが要因。1ヘクタールだと持て余してしまう。)
これは、日本のコメ作りが1期作で、10アールあたりの収量が平均540キロ程度で頭打ちになっている以上、どうにもならないことだ。
「コメ農家の時給10円」の話に戻れば、昨年の朝日新聞掲載記事が元になっている。
農林水産省の令和4年=2022年・営農類型別経営統計の平均的なコメ農家の「所得」1万円を、労働時間を1,000時間として、割ったものだ。
(労働時間1,000時間は根拠不明だ。平均的コメ農家の耕作面積は1.8ヘクタール程度なので、労働時間は600時間程度になる。朝日新聞記者がキリのいい10円にするために、1,000時間としたとみられる。)
農協グループのJA農業新聞は、さすがに「時給10円」は使わなかったが、「令和5年=2023年のコメ農家の『所得』9万7,000円をもとに、「時給97円」という記事を掲載しているからあきれる。
昨年来のコメ価格高騰で、小規模農家の赤字は改善され、朝日新聞方式でもコメ農家の「時給」は数百円になったと思われる。それでも、まだコメ農家の経営は苦しいと書くだろうか。