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黒田日銀総裁 金利コントロール柔軟化に言及 ただし「将来」で、いまは「緩和」を固守

(日本銀行本館)


時事通信(2日電子版)などによると、黒田東彦・日銀総裁は2日の衆議院財務金融委員会で、 階猛議員(立民)の質問に答える形で、2%の物価目標が安定的に達成できる見込みになれば「(短期金利をマイナス0.1%、長期金利を上限0.25%とする)金利カーブ操作(YCC)の柔軟化も選択肢の一つ」と述べた。


金融政策、将来は柔軟化も 物価目標の実現視野なら 黒田日銀総裁(時事通信) - Yahoo!ニュース


黒田総裁は、10月29日の日銀政策決定後の記者会見で、「来年度=2023年度でも物価上昇率が日銀が目標とする2%を安定的に達成できるような状況にはならないのではないかとみている」と述べ、景気下支えのため、現在の金融緩和策を維持する考えを示した。


この発言後、東京外国為替市場は円安に振れた。政府が円安を抑えるためにドル売り円買いをする一方、超金融緩和政策に固執する黒田総裁の発言が介入効果を帳消しにしているという批判が政府内でも出てきている。


2日の外為市場は、黒田総裁が「YCCの柔軟化」に触れたことでやや円高にふれる場面もあった。ただ、黒田総裁はいまの超金融緩和策について「日本経済は回復途上にあり、これを(金融緩和で)しっかり支えていくことが経済にとってもプラスだ」として、当面は続ける考えを述べている。


また、黒田総裁は同委員会で野田佳彦議員(立憲)の質問に対し、足元の円安について、「ウクライナ侵攻後の米ドルがほとんど全ての主要通貨に対して独歩高となっているが、ファンダメンタルズに基づいたとは言えない面がある」と述べ、 ドル独歩高が「一時的な可能性もある」と指摘した。


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YCCはイールド・カーブ・コントロールの略。イールドカーブは、国債利回りのことで、償還までの期間が長くなるとふつうは金利=利回りは高くなる。日本は短期金利が-0.1%で、長期金利(10年もの国債利回り)が0~0.25%になるように日銀が無制限に国債を買い入れて超低金利をつくりだしている。


物価が上昇すれば金利を上げて、総需要を抑制するのが「常道」だが、黒田総裁は、金利を上げれば景気が失速するおそれがあるので、金利を上げる状況にはないとの考えである。日本の低成長は事実だが、日銀の低金利政策がゼロ金利でも、ろくに利益を上げられないゾンビー企業を生んだ面もある。

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