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安倍氏 トランプ氏とのゴルフ外交「抑止力のため」自民党福島県連セミナー 軽すぎないかその発言


河北新報(電子版18日)によると、安倍晋三元首相は17日、福島県郡山市で開かれた自民党福島県連の政経セミナーで講演し、政権当時にトランプ前米大統領と親交を深めた「ゴルフ外交」は「抑止力のためだった」と語った。


報道によると、「トランプ氏と仲が良かったら(日本が攻撃を受けた場合は)米国は絶対に報復するだろうと(他国は)思う。ゴルフは抑止力のためにやっていた」と述べたという。


トランプ氏とゴルフ「抑止力のためだった」 安倍元首相、郡山で講演 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS


ロシアのウクライナ侵攻問題に触れて述べたものだが、トランプ氏とのゴルフの効用を語ったこの発言は、安倍氏がプーチン大統領に向かって語りかけた、あの言葉を思いおこさせる。


2019年5月にウラジオストクでの国際会議後に、安倍氏はプーチン大統領に向けて「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」と呼びかけた。


安倍氏は首相在任当時、ロシア大統領のプーチン氏と27回にも及ぶ首脳会談を重ね、親密な関係を築いてきた。


北方領土返還を実現するためだが、ロシアのウクライナ侵攻によって、ご承知のように、返還交渉は白紙に戻った。(経済制裁も発動したので、白紙どころか悪くなった。)


安倍氏のプーチン氏への融和的な姿勢がプーチン氏を増長させたとの論調があるが、筆者はさほど同意しない。プーチン氏は安倍氏が思うほど「親密な関係」と考えていなかったと思われる。


今回の講演では、安倍氏は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟していれば「ロシアは指一本も出せなかっただろう」との見解を述べたという。


NATOの軍事同盟としての戦争抑止力=突き詰めていれば核抑止力を念頭においたものと思われる。


筆者は、ウクライナがNATOに加盟していれば、ロシアが指一本出さないところか、最後はロシアとの全面戦争、核兵器の応酬になった可能性があると考える。


現にプーチン氏が戦術核兵器の準備段階にあると言明している。一般市民を殺戮したことも認めていない。(あるいは何とも思っていない。)


安倍氏はウクライナ戦争をきっかけに、米国(米軍)との核共有の検討をするべきとか、敵基地攻撃能力の保有、それを超えて、敵中枢(首都)攻撃能力まで持つことを言い始めている。


これまでの政府の見解では、日本に対する他国からの攻撃の最終的な抑止力は、米国の提供する「核の傘」だった。


(それが日本政府が各兵器禁止条約に賛成しない理由になっている。)


安倍氏は立場変わって、米国の「核の傘」の抑止力を疑っているのかもしれない。


岸田氏とバイデン氏は安倍ートランプ時代ほど緊密ではなく、米国が抑止力を発揮してくれないとでも考えているのだろうか。


まずは、謙虚にご自分の外交を振り返って欲しいものだ。
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参考資料:毎日新聞3月28日付記事
核共有は抑止力となり得るのか、日本の安全保障が目指すべき道 | 毎日新聞

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