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令和の「軍拡」は増税で 有識者会議報告 旧安倍派は「国債増発」を主張?


国税庁のホームページより一般会計の歳入内訳
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政府の「防衛力の抜本的強化関する有識者会議」は、22日、5年以内の防衛力強化が必要とし、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有と、戦闘継続能力(継戦能力)向上などを柱とする報告書をまとめた。自民党が主張するGDP対比2%を実現するには、現在の防衛費年間6.9000億円(補正予算を含む)を5年後には10兆円程度に増額することになる。


財源として、有識者会議は「幅広い税目による負担が必要」としているが、自民党内には旧安倍派を中心に「国債発行でまかなうべき」という根強い声がある。


日本はGDP対比の国債発行残高などで、先進国の中で最悪の財政状態にある。加えて、新型コロナ感染対策で歳出がかさみ、財政健全化の道筋はみえない。新年度の予算編成は、旧統一教会問題の後始末と、閣僚の相次ぐ辞任で国民の支持を失っている岸田文雄氏首相には、まさに正念場となる。


21年度の歳入上位でみると、消費税(21年度20.3兆円)、所得税(同18.6兆円源泉課税と申告課税の合計)、法人税(同9兆円)が主要な税源となっている。所得税減税、法人税減税が行われる一方、消費税率が引きあげられて、いまでは消費税が広く厚く徴収する、税源の首位にある。


いまの消費税率10%を2%上げて12%にすれば、4兆円(1%あたり2兆円として)を確保できる計算になる。ただし、消費者物価が3%超上昇が続き、実質所得が減っている現状では、おおかたの国民の理解を得ることは難しそうだ。(世論調査では防衛力増強の必要性を認める人は増えているが・・・)


防衛費の使われる先を考えた場合、個々の納税者が受け容れやすいのは法人税増額だと思われる。今回、提言された、敵基地攻撃能力では、敵の射程圏外から攻撃できる国産のスタンド・オフ・ミサイル改良や、潜水艦搭載ミサイルなどが挙げられている。また、サイバー攻撃への備えなど、軍事と民生両用のデュアル・ユース分野の拡充も言われている。これもITや通信関連の大企業の分野である。


防衛産業の上位には、三菱重工業、三菱電機、富士通、東芝、日本電気、川崎重工業など、日本を代表する大手企業が並ぶ。防衛費増額の直接的な恩恵にあずかるのは、防衛産業であり、税源を法人税に求めるのは妥当なことと思われる。(大企業が中心の経済団体経団連は法人税引きあげには反対している。)


自民党内、とくに旧安倍派には、増税よりは赤字国債を発行して防衛費を増額するべきだ、という声が以前からある。その先頭に立っていたのは安倍晋三元首相だった。


安倍氏は参院選前に、「防衛費をGDP比2%に増やす」という主張とセットにして、「1千兆円ある(政府の)借金(国債)の半分は、日銀が買っている。日銀は政府の子会社だ。(国債の)返済満期が来たら借り換えてかまわない。心配する必要はない」と語っていた。
(金利が上がって、借り換え出来なくなったときのことは念頭にないようだ。)


旧安倍派は主を失って、会長は不在となっている。とはいえ、自民党の最大派閥であり、岸田首相は旧安倍派・有力者の意向を忖度せざるをえないだろう。「有識者会議」の提言は、防衛費の財源を国債発行に求めないようにクギをさしているが、岸田首相はどう判断をするだろう。


防衛費増額問題は、財源だけでなく「敵基地攻撃能力」保持の是非についても国会で議論されることになるが、最終的には国民に信を問う、つまりは総選挙につながる可能性をはらんでいる。


防衛費増額の財源 “増税含めた国民負担必要” 有識者会議 | NHK | 自衛隊

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