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経済危機 スリランカ大統領公邸 群衆が占拠 首相も辞任 政権倒れる

(外務省ホームページより )


経済危機に陥っているインド洋の島国、スリランカのラジャパクサ大統領は、今月13日に辞任する意向を議会に伝えた。最大都市のコロンボで政府に対する抗議活動が広がり、群衆が大統領の公邸に押し寄せて占拠した。ラジャパクサ大統領は選挙される前に公邸の外に逃れていたもよう。


首相のウィクラマシンハ氏は今月5日、議会で「国の破産」を宣言したが、議会に促されてすでに辞意を表明しており、政権は実質的に崩壊した。報道によると、議会議長が暫定的に大統領職務を執行するという。


スリランカは観光が外貨獲得の柱になっているが、コロナウィルスの世界的な感染拡大で、観光客が減少して外貨が枯渇した。石油価格の高騰が重なり、石油輸入が止まったため、長時間の停電や輸送・交通の停滞のため、経済、社会活動がマヒ状態になっていた。


5月にはデモ隊と政権支持者らが衝突し、死者の出る惨事となり、大統領の兄で、当時首相のマヒンダ・ラジャパクサ氏は首相を辞任していた。


近年、スリランカは中国からの投融資で港湾や空港、道路の整備を進めてきた。中国の金利は一部6%を上回る高金利とされ、港湾や空港を整備したものの利用がふるわず返済が難しくなっていた。


スリランカ政府は中国に債務の返済猶予や金融支援を要請していたが、中国がこれに応じたかどうかは不明だ。


ウィクラマシンハ首相は「国の破産」を宣言した際に、「これまではIMF(国際通貨基金)を発展途上国として債務再編の交渉をしてきたが、今後は破算国家として困難な交渉をすることになる」と述べている。


長い内戦を経て、落ち着きを取り戻したようにみえた「スリランカ」だが、再び混迷の時期に入るのだろうか。その先行きは中国の海洋進出の動きもからんで予断を許さないものがある。

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