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経済危機 スリランカ大統領 海外逃亡 中国に金融支援要請も実らず?

(YOU TUBE テレ東BIZ NEWS より、スリランカ大統領が国外脱出 経済危機で国民が激しい抗議(2022年7月13日) - YouTube )


各社テレビニュースによると、経済危機に陥ったスリランカの政府当局者は13日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が軍用機でモルディブに脱出したと明らかにした。


スリランカでは、コロナ禍による観光客の減少や石油価格の急騰で生活必需品が不足、最大の都市コロンボでは長時間の停電が続き、数千人の大群衆が大統領公邸を占拠し、ラジャパクサ大統領は公邸から脱出していた。


首相の辞任も伝えられている。今後、国会議長が大統領代行職に就いて、事態収拾をはかるとの報道もあるが、議長も大統領に近い人物だったため、国民の信用はないと言われている。経済的、政治的混乱が長期化する可能性もある。


経済が破綻した原因のひとつは、ラジャパクサ大統領の一族が、中国の借金に頼ってすすめてきた、港湾や空港、高速道路などの大規模開発の行き詰まりがある。


中国からの借款の金利は一部6%を上回る高金利とされ、港湾や空港を整備したものの利用がふるわず返済が難しくなった。南部のハンバントタ港は、返済猶予の代わりに、2017年7月から99年間にわたって運営権を中国に売却した。債務のワナの一例とされる。


ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は、兄のマヒンダ・ラジャパクサ元大統領と共に、親中国路線をすすめてきた。


ラジャパクサ一族は長い内戦を終わらせて、発足後しばらくは高い人気があった。しかし、経済振興策は失敗し、大規模開発も成果を生まず、閣僚や重要ポストに一族の縁故者を起用して「汚職」がまん延し国民の支持を失っていた。


主要輸出品の紅茶も外貨不測で化学肥料が調達できず、有機栽培に転換をはかったが収量が落ちてしまった。イランとの間で紅茶と石油のバーター貿易を行ったが、生産農家にとっては減収となったため都市だけでなく、地方でも政権への不満が高まっていた。


スリランカは外貨が枯渇した6月に、中国に対し金融支援を要請したが、実行されなかったとみられる。


スリランカ中央銀行の2020年の年次報告書によると、対外債務の総額は約6兆スリランカルピー(約2兆3400億円)に上り、日本と中国からの債務がそれぞれ10%程度を占める。(13日付け朝日新聞による)


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参考資料:JETRO レポート
危機の背景に脆弱な経済構造(スリランカ) | 2022 - 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ

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