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成長と分配のどちらが先か/政党の政策比較

成長と分配のどちらが先か/政党の政策比較


 もっと早くコロナ感染が減ってくれたら退陣することはなかったのにーーとだれかがぼやいていそうだが、感染者急減で、コロナ対策が焦点になると思われた衆院解散・総選挙のテーマもコロナ離れの傾向が出ている。
朝日新聞の世論調査(19日、20日に実施)によると、衆院選で最重視するテーマは1,社会保障29%、2、景気・雇用27%、3、新型コロナウイルス対策18%となっている。(以下重視するテーマは、4外交安保、5原発エネルギー、6政治とカネと続く)


https://www.asahi.com/articles/ASPBN7HHWPBLUZPS001.html


下に主要政党の所得・賃金制策、消費税率引き下げ(または維持)方針をまとめた。
20日付け朝日新聞各党公約、政党届け出ビラを参考にした。



自民党は「経済成長とともに分配政策を進め可処分所得を増やす」とする一方、野党は大きく括れば、共闘の目玉である「消費税率の5%引き下げ」によって可処分所得を増やすことをアピールしている。
アベノミクスの匂いのする「成長なくして分配なし」の呪縛からは脱したが、総裁選のときに語っていた「分配なくして経済成長はない」から後退した感は否めない。新資本主義の象徴ともいえる金融所得課税の強化も取り下げてしまった。首相をやめてなお影響力のある安倍元首相への忖度だろうか。
朝日新聞の同じ世論調査で注目すべきは、消費税率について「10%のまま維持する方がよい」57%で、「一時的にでも引き下げる方がよい」の35%を上回ったことだ。
有権者は社会保障の充実はのぞんでいるが、年金、医療、介護は税金と個人が払う社会保険料でまかなわれており、給付と負担は両建てで、消費税10%じゃないと社会保障制度が保たないということを知っているのだ。消費税率引き下げは、野党が期待したほどには有権者にアピールしない可能性がある。ただ、岸田氏の新資本主義の腰砕けで、自民党政権下での個人所得増(格差縮小)への期待は少し醒めているかもしれない。
コロナ渦では、ワクチンを海外に頼らざるをえないバイオ創薬技術の劣後、ウィルス感染者を把握するスマホアプリ「カカオ」の失敗にみるIT技術の遅れが明らかになった。いまは忘れられているが、バイオ創薬やIT技術の推進はアベノミクスの成長戦略の柱にあげられていた。そういう点では、コロナ渦はアベノミクスの限界を示したともいえる。

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