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EU ウクライナの市民殺害で対ロ制裁強化か 「ガス輸入停止」は出しづらい「切り札」 リトアニアは停止決定



〇上の図はユーラシア大陸における天然ガスパイプライン網 JOGMEC=石油天然ガス金属鉱物資源機構作成 2019年3月28日「建設進むNordStream2とTurk Stream」木村真澄氏につく図を転載しました。)


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ブルームバーグ通信(電子版)によると、欧州連合(EU)の一部加盟国は、ウクライナの都市で民間人がロシア軍に殺害されたとの報告を受け、EUに対ロシア追加経済制裁を求めるている。


EUの対ロシア追加制裁、一部加盟国求める-「戦争犯罪」報告受け - Bloomberg


米CNN(電子版)の報道によると、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャでは少なくとも民間人20人の遺体が路上に放置されていた。うつぶせに横たわっていたり、白い布で両腕を背後に縛られていたり、自転車に乗ったままの姿勢で倒れている人もいた。


対ロ制裁では、ロシアの大きな財源である、天然ガスの輸入を削減または停止するのがもっとも効果的だが、EU全体では天然ガスの50%近くをロシアから輸入しており、簡単に止められるものではない。


天然ガスは、火力発電の燃料、化学工業の原材料、暖房(とくに冬季)など産業、民生に幅広く使われいる。欧州全土にロシアからのパイプラインが何本もある。(日本がかかわるサハリン1,サハリン2はユーラシアの東のはしに位置する。)


いずれも、ガス田の開発から始まる長期プロジェクトで、代替の輸入先を求めるのは簡単ではない。ドイツでは海外からの輸入のためLNGタンクを作りはじめたが、すぐにはできない。特殊な構造のLNG船も必要になる。


輸入停止はロシアにとって大きな収入を失うことになり打撃には間違いないが、輸入している側にとっても大きな痛手となる。出しづらい切り札なのだ。


共同通信によると、バルト3国の一つであるリトアニアはロシア産ガスの輸入を2日に停止した。3日までに発表した。


リトアニアのナウセーダ大統領は「今月からリトアニアにロシア産ガスは存在しない。われわれができるなら、残りの欧州もできる」とツイッターに投稿した。


ブルームバーグ通信によると、天然ガスのロシアへの依存度が大きいドイツなどは、ロシアのエネルギーや海運など重要セクターへの制裁に反対している、という。


プーチン大統領は欧州各国に天然ガス代金をルーブルで支払うことを求めており各国はこれを拒否している。


先行きはウクライナの戦況と同様に見通し難い。


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