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物価高 実質賃金マイナス続く 岸田・減税は後追いに終わる?

厚生労働省資料より、実質賃金の前年比、黒実線はマイナスを続けている。全体に占めるパート労働者の比率が高くなると、一般労働者より給与水準が低いため、全体としてはマイナス寄与になる。
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厚生労働省は7日、9月の毎月勤労統計調査を発表した。それによると、物価上昇の影響を差し引いた9月の実質賃金は、一般労働者(≒正社員、正職員)とパートタイム労働者の加重平均で前年同月比2.4%の減となり、18カ月連続で前年を下回った。


名目賃金(実際に支払われる現金給与)はプラスになっているが、物価高に追いつかない状況が続いている。岸田首相は来年6月に3兆円規模の所得税減税を経済対策に盛り込んだが、賃金、物価動向次第では後追いに終わる可能性がある。


同調査によると、一般労働者の現金給与総額は36万3444円(同1.6%増)、パートタイム労働者は10万2135円(同1.9%増)だった。


9月の消費者物価(持ち家の帰属家賃を除く)が前年同月比で3.6%と高い伸びになったことから、実質賃金はマイナスになった。


政府・日銀は来春闘の賃上げに期待をかけており、岸田首相は使用者側の経団連や、最大の労組の全国組織の「連合」に今年以上の賃上げを要望している。とはいえ、経団連はいうまでもなく大企業の経営者団体であるし、連合は大企業組合の力が強い。


大企業から中小企業への波及を考えているのかもしれないが、アベノミクスの時代に「トリクルダウン」効果はついに実現しなかったことを忘れてはいけない。


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トリクルダウン効果=トリクルダウンは溢れた水が上から下へこぼれ落ちることをいうが、アベノミクスでは為替を円安にして、大企業(輸出企業)が利益をあげれば、下請けの中小企業にもそれがおよぶ(だろう)と言っていた。


ところが自動車、電機といったかつては稼ぎ頭だった製造業が海外への生産移転をすすめたり、中国、韓国に追い抜かれたりして、製造業の空洞化を招いてしまった。


製造業の空洞化はまだ止まっていない。岸田首相の地元の広島県の呉市では、この9月に日本製鉄の製鉄所(高炉)が生産を止め、3、300人の雇用が失われた。大きな製造業の拠点がいったん失われたら、回復は難しくトリクルダウンは永久に期待できない。

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