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アルゼンチン ミレイ新大統領 通貨50%切り下げも「中央銀行廃止、ドル移行」は封印

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南米アルゼンチンで、12月10日にハビエル・ミレイ氏が新大統領に就任した。ミレイ氏はリバタリアン(自由至上主義)の信奉者で、選挙期間中は、年率150%のインフレに見舞われている同国の経済を立て直すため、中央銀行を廃止し、通貨ペソを米ドルに切り替えると公言していた。


10日の大統領就任演説では、そうした過激な言説はなく(胸中に収めた?)、「財政健全化は不可避で、ショック療法によって素早く行う必要がある」と繰り返し訴えた。
ショック療法が何を意味するかは不明だ。12日にカプト新経済相が、通貨ペソの公式レートを50%超切り下げ、1ドル=800ペソにすると発表した。
アルゼンチン、ミレイ氏が大統領就任 「痛み伴う改革不可避」 | ロイター


また、税収確保のため主要輸出品の農産物(穀物)の輸出税引き上げを計画しているという。農業生産者にとっては、輸出競争力を保つために自分たちの利益を削らなければならず、評判の悪い政策である。


ミレイ大統領が「中央銀行の廃止」や、「通貨のドルへの移行」を呼号したのは、就任後に打ち出す「ショック療法」を「斬新的」な政策と思わせるための作戦だったのかもしれない、


ペソを切り下げた翌日の13日にはアルゼンチン中央銀行がペソのクローリング・ペッグ制導入を発表した。中銀はクローリング・ペッグ制のもと、ペソを毎月2%ずつ切り下げて行くことになる。(クローリングは水泳のCRAWLのクロールの進行形)「はうようにして」ペソの均衡水準を探っていくという意味になるだろうか。


アルゼンチンは中央銀行がアルゼンチン国債の直接引き受けをして、それが、高インフレを招いた。ミレイ氏は財政健全化のために、赤字国債で支えられていた公共事業を削減する方針を打ち出し、公共事業省など半分の省を廃止あるいは新しい省に再編統合した。


農業国のアルゼンチンは、大豆、トウモロコシ、小麦の世界的産地で、現在、小麦とトウモロコシには12%、大豆には33%、それぞれ輸出税が課せられている。アルゼンチンでは過去に農産物の輸出税引き上げに農業者が反対し、穀物輸出を一時停止したこともある。


ロイター通信によると、ミレイ新大統領は「ショック療法の結果、短期的には景気の後退と物価の上昇が同時に起きるスタグフレーションが引き起こされ、生産活動や雇用、実質賃金、貧困率に悪影響を及ぼす」との見通しを示した。ただ、それは、「経済が停滞していた過去12年間に起こったことと大差はない」として、堅固で持続可能な経済成長の基盤作りの必要性を訴えた。
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下記のウエブを参考にしました。
ミレイ政権が新閣僚を任命、18省から9省へ再編(アルゼンチン) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ


カプート新経済相、10の経済政策を発表(アルゼンチン) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ

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