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次の日銀利上げは株にプラスかマイナスか 0.25%の上げでもゾンビ企業は耐えられない?

YOU TUBE 【国会中継】参院 財政金融委員会 植田日銀総裁出席で質疑(2024年4月9日) - YouTube
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金利が上がれば株価は下がるか、それとも上がるのか。日銀がマイナス金利の解除から、近い将来、プラス金利に転換する=金利を上げるとき、株式市場にどのような影響を与えるだろうか。


わかりやすいのは、金利を上げて株価が下がる方だ。金利が上がれば、企業の借り入れ(資金)コストが上昇し、業績の悪化や設備投資の停滞につながり、株価が下がるというわけだ。


個人(家計)の場合は、住宅ローン金利が上がって、住宅購入意欲がなえてしまい、住宅着工件数やマンション販売戸数が減り、景気を悪化させることになる。


金利を上げても株価が上がるのはどういう場合だろう。一例は、景気が過熱して、金利を上げてもインフレが収まらず、株式も上昇するときだ。(インフレのときはおおむね売上高、粗利が増える。)


ここ1年ほどの米国株式市場が好見本で、人工知能(AIブーム)などを支えに、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)の利上げを意に介さないかのごとく、株価は上がった。


米国のインフレ率はピークで9%に達したが、足元では3%代前半で推移している。いまの株式市場は天井を打った感もあり、FRBの利下げ転換を期待する動きとなっている。


ひるがえって、日本をみると、ウクライナ戦争勃発を機に物価上昇率はピークで4%に達したが、賃上げが追いつかず、実質賃金はマイナスが続いている。個人消費は強いとはいえず、足元のインフレ率は2.8%(2月、生鮮食品をのぞく消費者物価上昇率)程度となっている。


(発展途上国並みのエネルギーへの補助金政策によりインフレ率は0.5%ほど抑えられている。この効果をのぞけば3%台に乗っている。)


今春闘で中小企業も含めて5%台の賃上げが実現して、コアインフレ率が3%を超える状況が続けば、日銀は利上げする可能性がある。そのときに株式市場に与える影響はどうなるだろうか。


日銀が最初の利上げをするとき、利上げ幅=短期金利の誘導目標は、いまの0~0.1%を0.25~0.3%に引き上げるのにとどまると予想されている。(仮に0.5%の利上げだと、いま0.5%以下の変動型住宅ローン金利が跳ね上がり住宅需要は冷え込むだろう)。


企業業績に与える影響に目をむけると、いまの都銀の短期プライムレート(短プラ=最優遇貸出金利)は1.425%~1.725%だ。(日銀ホームページ資料による)これが0.25%から0.3%程度上がっても、株式を上場(公開)する企業の多くが優良企業だと仮定すると、経営に大きく響くとは思えない。


問題は、この「株式上場・公開企業は優良会社」という仮定が間違っているときだ。超低金利ゆえに存続してきたいわゆるゾンビ企業は20万社程度存在するといわるが、中には株式公開企業もある。


これらが0.25%の利上げによる負担増で、短期間にバタバタと倒産すれば、経済全体に悪影響をおよぼすというレポートがある。その一方で、いずれ行き詰まる企業が整理されるだけで、資本と労働の再配分がすすみ、日本の生産性があがるという見方もある。

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