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好景気・高金利の米ドルが高いのは当然 有事に弱い「円」 恒常的貿易赤字が示す日本経済の弱さ

YOU TUBETBS NEWSDIG 1ドル153円90銭台まで下落 約34年ぶり円安水準を再び更新 鈴木財務大臣「万全の対応をとる」|TBS NEWS DIG - YouTube
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イランによるイスラエル攻撃を受けて、為替相場は円安が一段と進み一時、1ドル=153円90銭をつけた。1990年6月以来、およそ34年ぶりの円安水準を更新した。


市場には1ドル=155円近辺で政府日銀の市場介入があるとの警戒感が出ているが、日米の金利差が開いていること、日本の貿易収支が基調として赤字が続いていることから、市場介入によって為替の円高反転を実現できるかどうかは疑問がある。


イランに対するイスラエルの即時報復はないとみられるが、一触即発の緊張状態が続くのは間違いなく、有事に弱い円は売られやすいとみるべきだろう。


1990年は株式バブルが崩壊した年だが、実体経済の方は堅調で自動車生産台数はこの年に1,349 万台を数え、ピークを迎えていた。(2023年の生産台数は857万台で40%近くも減っている。)


自動車と並んで輸出の稼ぎ頭だったテレビ、ビデオ、半導体も、韓国や台湾、中国が台頭する「前夜」だった。貿易赤字が続くいまは信じられないことだが、1990年代前半の日本は年間10兆円近い貿易黒字を計上して、米国から黒字を減らすように迫られていた。


当時の日本政府は為替が1ドル=160円の円最安値をつけたあと、円高に向かったことを喜んだはずだ。


為替を動かす要素として、日米金利差をみると、短期金利については日本は3月にマイナス金利を解除したばかりで、物価の上昇率が日銀の目標とする2%を超えて上がらない以上、0%の短期金利を上げる理由はない。


米国はインフレがなかなか収まらず、高止まりした政策金利(短期金利=5.25%~5.5%)の引き下げが後ろにずれている状況で、すぐに日米の金利差が縮まる=円安傾向が変わることはないだろう。


アベノミクスの「故事」に立ち帰ると、異次元緩和で低金利にすれば、円安になり外需(貿易黒字)が増えて経済がよくなるという図式だった。実際には円安になっても貿易収支は好転せず、むしろ輸入物価の上昇がインフレを招くおそれが出ている。


政府、日銀は、いまだアベノミクス=黒田・日銀の異次元緩和の精算ができておらず、アベノミクス後の金融政策を描けていないのである。

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