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超小型ロボ・ソラキュー 月面のSLIM撮影に成功 JAXA公表 分光カメラ 短時間作動を確認


JAXA(宇宙航空研究開発機構)は25日、月の無人探査機SLIM(スリム)から月面に放出された直径8センチの超小型変形ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」が、月面に静止したSLIMを撮影した画像を公開した。月面から2台の移動ロボットを使って地球に画像を送るのは世界初の快挙だ。


筆者は20日にJAXAの自己採点「ぎりぎり合格の60点」は甘すぎるとして、ピンポイント着陸(目標から100メートル以内)の成功を前提にして50点をつけた。


25日の会見で、JAXAは月探査の主役である分光カメラを45分間作動させ、月面の岩石画像を取得できたと発表した。ソラキューによるSLIM機の撮影成功と合わせて筆者は75点を献上したい。


JAXAの担当者は25日の会見で、スリムは月面から高度50メートルの位置で、2基あるメインエンジンのうち1基に異常が発生し機体が横に流され、本来の着陸地点から東に55メートルずれたところに静止したと話した。


機体はエンジンノズルを上にした倒立状態で、太陽光発電パネルが西を向いたため日光が当たらず、発電できなくなった。


このため、搭載したリチウム電池で分光カメラを作動させたが、限られた時間で調査・研究に十分な画像データが得られるかどうか、懸念されていた。


発電パネルは、これから、月が日没を迎え西から日が当たれば発電できる可能性がある。そのときに備えて、リチウム電池に少しの余裕を残して止めている。


スリムは着陸間際に超小型月面探査ローバ(LEV-1)と変形型月面ロボット(LEV-2=SORA-Q・ソラキュー)を月面に放出した。


ソラキューはスリムの機体を画像認識できる機能を持っており、超小型カメラでスリムをとらえて静止画を撮影した。そのデータをLEV-1に送り、LEV-1が地上受信局に送った。(LEV-1はバスケットボール大で地球と通信できる。)


LEV-1もカメラを搭載しているが、現時点では、月面での画像の取得はできていないという。


太陽光電池が首尾よく機能し、分光カメラで月面を「探査」し、より解像度の高い画像を地上局に送ることができれば、75点にさらに上積みすることにる。


月は日の出から日の入りまで約14日ある。日が当たっているとき=昼と、日がささない夜の温度差が大きいため、電気回路の半導体が故障する可能性もある。太陽光発電ができ、分光カメラが作動し、画像を通信機で地上局に送れるかどうかは、やってみないとわからない。


着陸後にスリムを「ぎりぎり合格の60点」と自己採点したのは、田中均宇宙科学研究所長だ。25日、田中所長は分光カメラが機能し、LEV-1、LEV-2が月面で活動できたことで、「各1点加算して63点」と語った。


加点が渋くみえるが、LEV-1、LEV-2の評価はそれを開発したチームがつけるもので、分光カメラが十分機能できない現時点では63点もいたしかたないだろう。


田中所長は「メインエンジンの故障は、火星周回探査機や金星周回探査機でも起きた。今後のために原因究明が必要だ」と話した。


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LEV-1は宇宙科学研究所のほか、東京農工大学、中央大学が共同で開発した。LEV-2は同研究所とタカラトミー、ソニーグループ、同志社大学が共同開発した。

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