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朝日VS読売 衆院選情勢調査の正確さは朝日の勝ち

朝日VS読売 衆院選情勢調査の正確さは朝日に軍配


衆院選の結果を、朝日新聞と読売新聞2紙の選挙情勢調査を比べると、筆者がみるところ選挙中盤でおこなった朝日新聞の情勢調査が、終盤でおこなった読売新聞の情勢調査に比べて、格段に正確だった。


朝日新聞社は23、24日の両日、電話、インターネットによる調査、自社取材による選挙戦中盤の情勢を探った。その時点では、「自民党は公示前の276議席より減る公算が大きいものの、単独で過半数(233議席)を大きく上回る勢い。立憲民主党は比例区で勢いがなく、公示前の109議席からほぼ横ばい」と伝えている。


朝日調査は各党の獲得議席を選挙区と比例区別と、あわせた全体の数字を下限と上限を明らかにして「下限~上限」で示している(表)。それによると自民党全体の下限は251議席で上限は279。実際は261議席でほぼ中位値となっている。


筆者が、獲得議席がほぼ中位値となった場合を◎、上限と下限の間に入っている場合を〇、上限あるいは下限から外れている場合は△、大きく外れている場合を✕として表に記入した。


朝日は全体の各党議席予測は自民党◎、公明党が◎、立憲民主党〇、共産党が△、大きく増えた維新が✕、国民民主が〇となっている。


読売新聞は予測議席数を数字で示していないが、全体の議席数で自民は「単独過半数233の維持微妙」✕、立憲は「公示前議席を110から30近く増やす可能性」✕ 共産「公示前の12は上回る勢い」✕ 国民民主「公示前8議席を確保できるかどうかが焦点」✕ と評価した。


朝日新聞の中盤調査は10月23日、24日の両日。読売終盤情勢は10月26~28日におこなっている。読売の方が2、3日後になっている。


新聞の世論調査にはその新聞の論調によって回答に「バイアス」がかかることが知られている。安倍政権の支持率が朝日新聞と読売新聞で大きく差がつくのは回答バイアスのせいである。


朝日新聞と読売新聞の調査は調査時点の違いのほか、調査手法、サンプルの取り方に違いがあり、単純に比較することはできない。各紙の独自取材を加味することも情勢判断の違いになり得る。


24日におこなわれた参院補選では、静岡選挙区で無所属の新顔候補(立憲民主、国民民主推薦)が自民党候補を接戦の末破って当選した。無党派層が野党系候補に流れたのが勝因との分析があった。(出口調査による)


読売が終盤調査をおこなったのは静岡参院選後になる。野党に追い風がふいて、自民が大きく減らし、立憲・共産がその分増えたと考えると、読売新聞終盤予測は説明がつく。が、結局、追い風は野党全般には吹かなかった。


朝日新聞は今回、電話とインターネットを使って調査した。新聞の世論調査はその新聞の論調によって回答に「バイアス」がかかることが知られている。安倍政権の支持率が朝日新聞と読売新聞の世論調査でときに大きな差があるのは回答バイアスのせいである。一般的には与党寄りの読売調査は与党寄りの回答が多く、朝日調査は野党寄りの回答になる傾向がある。


極端な言説が飛び交うインターネット上では、サンプルをうまく抽出しなければ、回答が偏ったり、信頼性の置けないものとなる。
今回の朝日新聞調査ではそうしたバイアスがないように見える。


読売終盤情勢は電話による調査に独自の取材を加味したとしている。
終盤情勢調査を伝える読売新聞10月29日の朝刊一面の見出しは「自民単独過半数は微妙」わき見出しが「立民増、維新勢い保つ」となっている。選挙翌日11月1日の見出しは、横に大きく「自民単独過半数」、タテ見出しで「野党共闘振るわず」と打っている。読者は「なぜ1日、2日で情勢が変わったのだろう」と首をひねっているかもしれない。

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