時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

ロシア・ウクライナ侵攻 小麦価格の高騰呼ぶ 日本への波及は必至

(ウクライナ国旗の青と黄は、空と穀物の実りを表している)


ロシアのウクライナ侵攻により、小麦の世界的産地である両国からの輸出に影響が出ることは必至との見方から、小麦の国際価格が急上昇している。小麦価格は昨年から中国の需要回復などを背景に上がっており、国内の小麦粉、パン、麺類、パスタなどの価格にもはね返るだろう。


小麦国際価格の指標となる、米・シカゴ商品市場では小麦先物が2月末に2010年以来の高値をつけた。2月は月間ベースで6年ぶりという大幅上昇。


日本は小麦の9割を輸入に頼っている。「国家貿易品目」として、政府が一括して海外(米国、カナダ、豪州)で買付・輸入している。


輸入小製粉メーカーなどへの「政府売渡し価格」は、近くは4月に改定される。昨年からの原油高騰による物流費上昇も加わり、小麦粉、パン、麺類、パスタなどの小売り価格への波及は避けられないだろう。


ロシア、ウクライナは世界有数の小麦主出国で、ウクライナ南部の港湾からエジプトなど中東や北アフリカに輸出されている。ロイター通信によると、ウクライナは国内の港湾での業務を全て停止した。黒海沿岸を航行中の貨物船がミサイル攻撃を受けたとの情報もある。


両国からの小麦輸出が滞れば、日本の輸入元である米国やカナダ、豪州産への需要が高まり、買付価格に跳ね返るのは必至だ。


国内の小麦年間流通量は570万トン。政府売渡し価格の改定は4月と10月の2回。昨年10月の改定は、前期(21年4月期)比で19.0%の引き上げだった。このときの主な理由は、コロナ禍から回復した中国が、北米での小麦買付量を急拡大させたことや、運送・港湾コストの上昇だった。


大豆、トウモロコシの国際価格も上昇しており、食用油や食品価格にはね返るだろう。家畜向け飼料価格が上がり食肉、同加工品への影響も予想される。


+++++++


参考:政府の小麦の売り渡し価格(トンあたり)は、海外での小麦買付価格に海上運賃、港湾費用などのコストを加えたうえに、さらに政府に差益が出るよう、上乗せ額(マークアップ)を足して決められている。この差益は国内小麦農家への補助金にあてられる。


この仕組みだと海外価格の上昇が差益拡大=補助金アップになりかねないので、差益を圧縮してバッファーとして使うということもあるようだ。

×

非ログインユーザーとして返信する