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黒田総裁「値上げ許容度高まる」発言に批判 「許容していない」と 物価高で4月の実質賃金はマイナス


日本銀行の黒田東彦総裁が6日、東京都内での講演で、商品やサービスの値上げに関連して、「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている」と述べたことに対して、ネット上で「(値上げを)許容してない、強制されている」「現実がわかっていない」と批判を集めている。


黒田総裁は7日の参議院金融財政委員会で「(値上げ許容度を)やや強調しすぎたかもしれません。賃金上昇の重要性をいう文脈の中で話した。」と釈明した。


4月の消費者物価上昇率は2%だった。黒田氏はハラの中で「物価が上がったのは、石油、天然ガス、その他、原材料が高騰し、ロシアのウクライナ侵攻がそれに輪をかけたのが大きな理由で、日銀のせいではない」と考えているのだろう。


たしかに、インフレをもたらしたのは海外要因だが、賃金の上昇を伴わない「悪いインフレ」である。それを「値上げ許容度が高まっている」という感覚に普通の人は怒っているのである。


黒田総裁が国会で釈明した7日に、厚生労働省が4月の毎月勤労統計調査の結果(速報)を発表した。名目賃金は前年同月比1.7%増だったが、物価上昇の影響で、実質賃金は4か月ぶりに前年を下回り、同1・2%減となった。


これを知っていたら、黒田総裁は「値上げ許容度」が高まっているという発言をしただろうか。


身もフタもない言い方になるが、財務省(旧大蔵省)キャリア官僚(最終ポストは財務官)から、アジア開発銀行総裁を経て日本銀行総裁になった黒田氏に、庶民的な生活感覚を求めるのは無理な話である。


そうではあるが、棒をのんだように「物価2%目標」をいい続け、インフレにつながる「異次元の金融政策」を取っていることのおかしさに、ふつうの人も気がつき始めているのだ。日銀は、インフレ2%が達成できれば、個々の所得、賃金が上がらなくても、国民経済がよくならなくてもいいのかと。


7日のドル円相場は一時1ドル=133円台をつけ、円安水準を更新した。米国市場で長期金利が上がり、日米金利差が開いたためだが、黒田総裁が7日の国会参院委員会で、金融緩和の継続を改めて表明したことも材料になったようだ。


勘ぐりが過ぎるといえばそれまでだが、元財務官僚の黒田総裁はインフレが起きることによって、1000兆円を超す国の債務返済の軽減を狙っているのではないか。インフレ・タックスである。


アベノミクスで二人三脚だった安倍晋三元首相が「日銀は政府の子会社」と繰り返し公言し、財政拡大(それも防衛費増のため)を言っているのも黒田総裁を頼りにしているのではないかと気に掛かるのである。


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